『「今日という今日は笛を舐めてやるゾ!」と意気込んだものの、いざ彼女のアルトリコーダーを目の前にすると「俺は何ということをしようとしているんだ…」という罪悪感に襲われました。
そこで苦肉の策として、自分のリコーダーの先と彼女のリコーダーの先をくっつけるという間接間接キスを考案したのです。
プラスチック同士がぶつかるあのカチカチカチカチ…という音は、今でも忘れられません』
浪漫奇行のお手本の様なエピソードですね。岩井俊二監督が映像化すれば、さぞかしメランコリックなシーンになるでしょう。
しかし、いったいこれで彼の中の何が、どの部分が満足できたのか一切わかりません。ていうか全然キスしてない。全然してない。
『どうしてもカッコつけたくて言いました。
しかし財布の中身はレッドゾーン。日能研帰りの小学生の方が、お金を持ってる可能性があります。
目で必死に「フォカッチャにしよや」と訴えたのですが、ラム肉、さらにエスカルゴまで頼まれましてね…。あのときは本当に肝が冷えましたね。電気は止められました』
金がないのに奢る、というのはものすごく軽度の奇行ですが、舞台がサイゼリアというのが浪漫奇行ポイントを跳ね上げました。それ…カッコイイの?
答えはみなさん自身が決めて下さい。ちなみに私はミラノ風ドリアが大好きです。お世話になっております。
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