サミュエル・ベケット展―ドアはわからないくらいに開いている サミュエル・ベケット展―ドアはわからないくらいに開いている

不条理演劇の巨匠ベケットを取り上げる「サミュエル・ベケット展―ドアはわからないくらいに開いている」が4月22日(火)から、東京・早稲田大学演劇博物館で開催される。

ベケットといえば名作『ゴドーを待ちながら』があまりにも有名。荒れ果てた大地に一本の痩せた木しかない世界で、現れることのない救済者を待ち続けるふたりの浮浪者を描いた作品。ベケットが第二次世界大戦末期のノルマンディーで、瓦礫と化した街を目の当たりにした後に書かれたものだという。同展では、作者の戦争体験を糸口に、様々な危機的状況で上演されてきたベケットの演劇作品にスポットを当てる。『ゴドー』世界初演のパンフレットや初の邦訳本などの関連資料をはじめ、日本、世界での上演を舞台写真や映像で多数紹介する。

「サミュエル・ベケット展」は4月22日(火)から8月3日(日)まで開催。入場無料。また本展のほか、演出家で俳優の串田和美によるトークイベントなど関連イベントも多数開催する。

■関連イベント(入場無料)
≪プレイベント≫
アイルランドのベケット専門劇団 マウス・オン・ファイアによるベケット作品のリーディング・パフォーマンス
4月7日(月)昼12:10~午後1時10分(予定)
『わたしじゃない』他2作上演

≪トークイベント≫
4月26日(土)午後1時30分~午後4時30分
◆第1部 「いまなぜベケットか」
2013年に日本とイタリアで世界の危機的状況とベケットを結びつけた芸術祭や展覧会を手掛けたふたりが登場。
ゲスト=多木陽介(ローマ市立演劇記念館「(不)可視の監獄――サミュエル・ベケットの演劇と現代世界」展キュレーター)
小崎哲哉(あいちトリエンナーレ2013 パフォーミングアーツ統括プロデューサー)
コメンテーター=佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)
◆第2部 「旅する『ゴドー』」
『ゴドーを待ちながら』を刑務所や老人ホーム、青物市場など、さまざまな場所で上演した串田和美と、旅公演の様子を撮影した写真家の明緒を迎え、旅公演を振り返る。

≪アイルランドの劇団「Company SJ and Barabbas」招聘公演≫
ダブリンの街路や駐車場でベケットの演劇を上演して高い評価を得ているアイルランドの劇団の初来日公演。
6月11日(水)~13日(金) 全3回・各回午後6時30分~7時30分(予定)
「芝居のための下書きⅠ」 Rough For Theatre I /「言葉なき行為II」  Act Without Words II」

≪ギャラリートーク≫
本展実行委員会による展示解説(*初回は岡室演劇博物館館長 各回・約30分)
4月22日(火)午後1時
5月23日(金)午後5時30分
6月27日(金)午後3時
7月25日(金)午後5時30分