逹瑯「NoGoDは信念のある音作りができるバンド。だけど言い方を変えれば…」

逹瑯

――団長さんにとって、完全にリスペクトの対象であると。そんな逹瑯さんと番組をやるという話を聞いたときはどう思われましたか。

団長:逹瑯さんは台本を読まない人だから、自分はしっかり読み込まないと、と思いました(笑)。

――それはずいぶんと実務的な話ですね。

逹瑯:団長に任せていたら問題ない、楽チンだからね(笑)。

団長:逹瑯さんもやろうと思えば、司会的な立場で話を上手に回すことだってできるんですよ。ラジオ番組(TOKYO FM/JFN系列『JACK IN THE RADIO』)を持ってますし。

ただ、逹瑯さんは頭の回転が早くていわばツッコミの回転がすごいから、自分がトークの土台を作って逹瑯さんは好きなタイミングで(話に)乗ってください的なスタンスでやりたいなと。

逹瑯:団長は真面目だからね。俺が話を回す側だと「先輩の前でどこまでふざけていいのかな?」とか考えちゃうんじゃねえかな。

反対に俺が「進行を頭に入れておかないと」とか思いながらやってると、どっちつかずになっちゃう。MUCCが番組をやるときはYUKKEが全部把握してるし、任せておける人がいる時は任せちゃうんです。

――役割分担がはっきりしているんですね。事前に打ち合わせをしたわけではなく、最初からですか?

逹瑯:最初からこうだね。番組の打ち合わせにも一回も参加したことないもん。

団長:一回も来たことないですね(笑)。

逹瑯:台本も一回も見たことがないもん。スタジオに来て「今日(ゲスト)誰来んの?」くらい。

団長:『いじくり ROCKS!』はそれで成立する番組というか、そうであるべきだという番組。逹瑯さんはライブマンじゃないですか。その場その場の対応力がすごい輝くので、それがいいんですよ。逆にずっと構えないでいていただきたいぐらいです(笑)。

――信頼関係ですね。そして、『いじくら NIGHT Vol.3〜コドモにもどって、はっちゃけナイト!〜』では、初の逹瑯さんとNoGoDのツーマンライヴになります。逹瑯さんはNoGoDというバンドはどう見ていますか?

NoGoD

逹瑯:ひとつのことを角度を変えて見るだけで、長所にも短所にもなるじゃない。団長は真面目でちゃんとしてるし、こだわりが強いから「こういうことがやりたいんだ」と、信念のある音作りができるバンドだと思う。だけどそれは、言い方を変えれば「頑固で偏屈」。…頑固ジジィ(笑)。

団長:よく言われます(笑)。

逹瑯:だって、説教くせえんだもん(笑)。

団長:それも、よく言われます(笑)。聴いていただくたびに逹瑯さんから「説教くせえ」って。

逹瑯:だって、歌詞が「何々だから何々だ」みたいな……。まずは接続詞を抜けって。

団長:それもいつも言われていますね、徐々に改善しているんですけど……。歌詞を書いているとき、いつも心の中の逹瑯さんが「お前は説教くさい」「お前は説教くさい」って(笑)。

逹瑯:たとえば、雨が降ってきたとする。団長は「雨が降ってきた」って歌詞を書くんだよ。(Plastic Treeの有村)竜太朗さんは「降り出したのは、雨」(「メランコリック」)じゃない? これだけで印象が全然違うよ。説明文が多いの。それで損してるから、もっと詩的にしたほうがいいのかもしれない。

団長:おっしゃる通りで、俺の歌詞は「文章を書いてる」のではなくて、「言ってる」んですよね。

逹瑯:それは団長に伝えたいことがあるからで、それはいいことなんだけど、自分が伝えたいことを100パーセント誤解されずにわかってほしいっていうのはエゴなんだ。それって聞く側が自由に想像させる余地を与えないってことだから。

団長:そうなんですよね。

逹瑯:だから、説明してばかりではなく、相手に委ねる余白を残さないと、詩にならないんだよ。

団長:本当にその通りで。自分でもわかっていたけど、改めて言われると確かにやっぱそうだなって。この人、恐ろしいほどよく「見てる」んですよ、人や周りを。頭が上がらないです(笑)。

逹瑯:でも、それは(団長の歌詞が)もっと良くなる余地があるってことでもあるんだけど。それに伝えたいことがなくて、なんとな〜くやってるやつより全然いいよ。