6月6日(木)に筋肉少女帯のカバー2曲を収録したミニアルバム『僕の宗教へようこそ~Welcome to my religion~』をリリースするえんそく。それを記念してボーカルのぶうさんが敬愛してやまない、大槻ケンヂさんとの対談を行いました!
本人のご機嫌を損ねちゃダメ!?「カバー曲」悲喜こもごも
――2015年に、ウレぴあ総研で大槻ケンヂさんを囲む座談会を行いました。そこにぶうさんも参加されていたことがきっかけで交流が生まれたそうで、共演も何度かされていると伺っています。
ぶう:オーケンさんには、ボクらの主催イベントに出ていただいて。以前の座談会の時は、面識もなかったし、あの中でもボクが一番「誰やねん」って感じだったと思うんですが、着々と距離をつめています!
5月の『のほほん学校』にも出演させていただきますし、今や、ヴィジュアル系界の“大槻芸人”の第一人者に上り詰めた自負があります!
大槻:『アメトーーク!』でいったら“WWE芸人”のケンコバくらいのポジションかな。
ぶう:その立ち位置です。「ボク抜きでその収録できないだろう!」っていう(笑)。
――そして、えんそくは6月にリリースされるシングルで、筋肉少女帯のカバーをされるそうですね。
ぶう:今丁度制作中なんです。レコード会社から許可はいただいていたけど、原曲をどのくらい変えていいのかというかわからなくて、しばらく動けなかったんです。
レコード会社の大人たちは「本人たちに許可を取るのに手間がかかるから、あまりアレンジを変えないでくれ」という雰囲気を出していて、ラクをしたいんでしょうね!
大槻:法律的には、音楽出版会社の許可をとればいいんだけど、でも日本人は律儀だから、仁義的なところで、一応バンドの許可もとるんだよね。そしたら「ダメ」って言われたりする場合もあるの。
ぶう:じゃあ本人のご機嫌を損ねちゃいけないんですね。
大槻:でも、オレもカバーは色々やってるんだよ。ソロでARBのカバーアルバムに参加したことがあって、『さらば相棒』という曲を選んだんだ。何故かというと、この曲を中学生の頃に聴いて「これはロックでもあるけど演歌だな」って思ったの。
だから、カバーする時も、宴会帰りの部長と部下がカラオケで演歌風に唸っている感じにしたの。「ちょっとやりすぎたかな」って思ったけど、後日キースさんや石橋(凌)さんに会っちゃって。謝ったら「いいよいいよ」って(笑)。
ぶう:筋肉少女帯のカバーというと、アルバム『SAN FRANCISCO』に入っている『PARASITE』も、KISSのカバーですよね。ボク、最初は普通に筋少の曲だと思っていました。
大槻:あれは元々KISSのトリビュート『地獄の賞賛 KISS トリビュート・イン・ジャパン』に入っているんだけど、あれにさあ、ジーン・シモンズさんからのコメントが入ってるの。「ああ、筋肉少女帯か、あの顔にヒビを入れたボーカルのいるバンドだろ?」とかね。
ぶう:バッチリ認知されてるじゃないですか!
大槻:……って書いてあるんだけど、絶対担当の人が書いてたと思うの(笑)。だって、その後ジーン・シモンズさんに会ったんだよ。そこで『PARASITE』のカバーをしてると伝えたら、一瞬、「?」って顔をして、「おお、知ってるよ!」って。
ぶう:「ヒビのあるボーカル」ってまで、コメントしてたのに! だから、僕らもどれだけやっていいかわからないから、アレンジする前に、御本人たちに許可をとりにいったんです。
大槻:こないだライブ前に、律儀に来てくれたよね。
ぶう:もちろん、普通に皆さんに挨拶したかったのもあるんですけど。アレンジをどのくらいぶちかましていいのか、探りをいれる意味もあったんですよね。
そしたら橘高さんに、ものすごい挑戦状みたいなものを叩きつけられて。「僕も誰かのカバーやるときはメチャクチャ別物にするし、そのくらいじゃあないとつまらないよね。楽しみにしてるよ」って。
大槻:橘高くんは、カバーは変える人なの。KISSの『PARASITE』も変えちゃったし。そういうコダワリがあるみたいだよ。そのまんまやる人もいるけど、そういうのは好まないタイプみたい。
ぶう:ロックの大先輩からそう言われて、気がラクになったんだか、プレッシャーになったんだかって感じですね。
大槻:楽しみにしてるんじゃない? 筋肉少女帯にもトリビュートアルバムの話があったんだけど、筋少って橘高さんがいるから、ヘビーメタルギターソロ、速弾きがあるじゃない。
もちろん、カバーなんだから、速弾きをしなければならないこともないんだけど、ギタリスト同士っていうのはなんかあるみたいで。「あのスタイルは自分は〜」みたいな感じで、皆あんまりやりたがらなかったのかもな。