――そしてカップリングの『スノーマンは帰らない』、これも不思議なタイトルですよね。
手鞠:まぁスノーマン自体もオマージュですけれども、他の収録曲の歌詞が比較的寂しい感じがしたんで、冬のテーマでwayne君が曲を作ってきたので、それに対して少し暖かいタイトルでありたいなと思って、冷たい雪や獄中を描写しながらもあえて少し暖かみがある雪の表現ってないかなって考えた時「スノーマン」が一番暖かく感じた雪の言葉だったのでそれを用いましたね。
――残りの2曲はtype Aには『Me』type Bには『Tiny spider 』が収録されています。2種類に分けた意図は?
手鞠:4曲できた時点で「さぁどうやって収録しようか」みたいな感じになって、色々と曲順のディスカッションもしたんですけれども、スタートと終わり…1曲目と3曲目を一緒にして2曲目を変えることによって、一つの始まりからそれぞれ物語が展開して最終的に同じところに落ち着くみたいなパターンにしたいというアイディアをkaname君が提案して、このバランスに落ち着いた感じですね。
――1曲ずつお話を伺いたいんですけど、『Me』このタイトルも短いですね。このタイトルしかないって感じだったんですか?
手鞠:そうですね。なにかすごく殺伐としている、ヒステリックで神経質な感じの歌詞を書きたかったので、一言でバシッとしたタイトルにしたいと思って。もうそれだけで「Me」っていう英語の意味じゃなくて文字だけでも何か不思議になるような感じの言葉がいいなと。
――で、typeBに収録されている「Tiny spider」。今回は全体的にタイトルが短いですね。
手鞠:僕タイトルつけるの割と嫌いなんですよ。タイトルつけようと思うと、歌詞と同じで、ズバッと言っちゃったらもう別に言う必要ないじゃんっていうか…。
例えばメッセージに関しても「好き」って言えるんだったら「好き」って言ってもうそれで解決するんだったら歌詞もいらないし(笑)。タイトルもいらないじゃんっていう。わざわざ書く以上は「何で好きなのか、どうして好きなのか、何で好きになったのか」とかっていう表現をしたい人なので、あんまり短いタイトルをつけたがらないタイプなんですけど…。
その、和製英語じゃないですけれども意味が英語としてはあまり合ってないけれども、訳した時に「これどういうことだろう」って考えてもらえるような言葉をいつも選んでるんですけども、今回は割かしメンバーのテコ入れもあって短めにしましたね(笑)。
――テコ入れとは。
手鞠:まぁ単純に「分かりやすくていいんじゃないの?」みたいな。今回のものづくりに関しても、ちょっと今までと違う作り方をしていて。
今まではメンバーが作品を作るにあたって曲を持ち寄ってきて、その持ち寄ってきた曲に対してインスパイアで歌詞を書いてたんですよ。
なので作品に対して作品を乗せて完成させる形だったりするんですけども、今回は先に「テーマをちょうだい」っていうのをメンバーに言われてて。なので今回こういうテーマを基に「kaname君はこういう曲調、wayne君はこういう曲調でお願い」と、テーマを振って、そこからできたものに対して歌詞を乗せるという形にしました。
――それはそういうのを試してみたいっていう感じで?
手鞠:そうですね、「試してみたらいいんじゃないの」っていうことになったので。まぁ色々やれるに越したことはないので。なのでタイトルに関しても短めで分かりやすいものを試してみたらいいんじゃないっていうんで「じゃあやろうか」っていう感じですね。