「夫とは一年ほど家庭内別居の状態ですが、最初は別々の部屋にいるとしてもやっぱり気配があるのがストレスで、キッチンやトイレに行くときに緊張する自分がイヤでした。
高校生の一人娘がいて、三人でご飯を食べる以外はそれぞれ自分の部屋に入り、話したいときは私が娘の部屋まで行きます。
そんな過ごし方が寂しいなとは思うときもあったけど、私と夫の不仲に気づいている娘から『好きなことをしたら』と言われ、読書を思いつきました。
仕事に家事に育児にと、生活に追われて本を読む習慣がすっかりなくなっていたのですが、ひとりの時間が増えれば没頭できます。
どうして思いつかなかったのか、楽しむことに罪悪感があったのだろうなと想像しますが、それだといつまでも気が滅入るのですよね。
今は大好きなミステリーの長編を読んでいて、気分がいいせいか、夫の気配を感じても以前ほどストレスを感じなくなりました。
娘とふたりで本屋さんに出かける楽しみもできて、町の図書館に行くのも新鮮だし、夫の存在を忘れて本の世界に集中しています」(45歳/総務)
家庭内別居でよく耳にするのが「時間を持て余す」ことで、新しい趣味を持ったり以前好きだったことが再燃したりと、ひとりの時間をどう過ごすか自由に決められるのはメリットといえます。
こちらの女性のように、配偶者への罪悪感から趣味を忘れていることも多く、それだと心のしがらみがいつまでも消えません。
夫に向ける意識から解放されるためにも、思い切って自分の趣味を取り戻して没頭する時間が、精神的な安定にもつながるのではないでしょうか。