度重なる夫の浮気に耐えかね、子供を連れて実家に戻った女性・Aさん(39歳)のケースを紹介します。

離婚に向けて妻がした「婚姻費用」の活用とは?

Aさんは夫の度重なる浮気に耐えきれず、8歳の息子を連れて都内近郊の実家に戻りました。

夫とは29歳の時に友人の紹介で知り合い、彼の猛烈なアプローチで結婚に至りましたが、最初の浮気が発覚したのはAさんが妊娠中のこと。

「つわりが酷くて家事ができない時、夫は『無理しなくていいよ』と言ってくれたので安心していました。でも妊娠7か月の頃、夫の入浴中に偶然スマホを見てしまい、女性からのLINEが届いていたんです。その後、夜に確認すると、ラブラブなメッセージがたくさんあり、ショックでした」とAさんは振り返ります。

夫の浮気発覚後、Aさんは一時実家に戻り、そこで出産。母親から「妊娠中の浮気はよくあること」と諭され、一度は夫を許して家に戻りましたが、その後も夫の浮気は続き、最終的には耐えられなくなったと言います。

その後、息子が通う小学校でいじめ問題がクローズされたこともあり、息子のためにも転校してリフレッシュしたほうが良いと判断したAさん。実家に戻ると、両親は孫との同居を喜んで迎えてくれたそうです。

離婚に向けてキャリアを積みつつ夫から「婚姻費用」をゲット

実家で暮らし始めたAさんは、夫からの「帰ってこい」という催促を無視し続けました。専業主婦だったAさんは、パートを経て派遣会社から紹介された事務の仕事で稼ぐように。

その一方で、夫に「母親が入院するから実家にいる必要がある」と説明し、息子の学費や生活費として月15万円を振り込ませることに成功しました。

Aさんは、離婚するまでは夫婦がお互い同程度の生活を続けられるようにするための『婚姻費用』という、生活費を請求する法的権利を知り、離婚するまでの間、夫から生活費を確保することを計画しました。

夏休みに入ると、夫から「子供と一緒に旅行しよう」と提案されたAさん。婚姻費用を渋られることを恐れて承諾しましたが、旅行先で夫がAさんと息子を家に連れ戻そうとしたため、「母親の病気が心配だから戻れない」と断り、再び実家に帰りました。

その後もAさんは「戻るかもしれない」と夫に匂わせながら婚姻費用を受け取り続け、別居から3年が経過。夫からの月額支払いは減額されましたが、それでもAさんは感謝していると言います。

「貯金も増えたし、離婚は他に好きな人ができた時に考えます」と、Aさんは前向きな姿勢で新しい生活を楽しんでいるそうです。

コラムニスト、小説家、ルポライター。2万人以上のワーキングウーマンを取材し、恋愛、婚活、結婚をテーマに執筆。「英語でリッチ!」で第12回ライターズネットワーク大賞受賞。07年10万人に一人の難病を後遺症なしに完治。「生きるを伝える」(テレビ東京)に出演。ブログ:「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪」