我が家には、トーマスが大好きで、ほとんどマニアな、もうすぐ3歳の息子がいます。先日の海の日連休には、トーマスSLに乗ることができ、大はしゃぎしていました。
ところが、トーマスSLの前日に乗った、南アルプスあぷとラインと「どっちが楽しかった?」と尋ねたところ、驚くことに「あぷとライン! 」と答えたんです。
ただのローカル路線でしょう? アプト式鉄道を採用しているのが日本で唯一ここだけだと言っても、何が楽しいの? と戸惑う方も、きっと多いと思うんです。
これはもう、「騙されたと思って、乗ってください」の一言に尽きます。すごーく楽しいんですよ。私が思うに、あぷとラインは、大井川の魅力がたっぷり詰まった、大井川でいちばん楽しいアトラクションです。
特徴は「小さい」「ボロい」「遅い」「うるさい」「めっちゃ揺れる」の5つです。冗談みたいな話ですが、本当なんですよ。これが、たまらなくおもしろい。
まず、列車そのものが、とても小さいんです。天井は低いし、車内はなんと、1人がけ席と、2人がけ席が並ぶだけの広さしかありません。横幅は、大型のワンボックスカーくらいのイメージでしょうか。
しかもボロいです。車内のあちこちが木製で、きれいに清掃されているので、まるでレトロなオモチャのよう。
動力は、アプト式の一部区間を除き、最後尾のディーゼル機関車です。もちろん、速くは走れないので、とってもゆっくりとした旅になります。
私があぷとラインを “アトラクション” と呼ぶ理由は、ここにもあります。だって、あぷとラインで千頭駅から閑蔵駅まで行くと、1時間半かかるんですが、バスだと30分で帰ってこられちゃうんですから!
これはもう、明らかに移動手段ではなくて、「乗る」ことそのものを楽しむアトラクションなんです。