横浜市の担当職員にインタビュー
インタビューに応じて頂いたのは、横浜市総務局人材組織部労務課労務係長の市川一弘さん。
この労務課は、一般企業では人事総務にあたり、給与に特化した部署らしい。
念のため、読売新聞の記事について伺ったところ、「ラスパイレス指数」では確かに一番高いとのお答えをいただいた。
しかし、諸手当を含む平均給与月額では一位ではないという資料を市川さんが出してきた。
これによると、諸手当を含む平均給与月額では、神戸市が430,258円でトップ。横浜市は408,345円で、政令指定都市19のほぼ中間に位置している。だがよく見ると、平均年齢が横浜市は2番目に低い。神戸市44.6歳に対し、横浜市41.8歳だ。3歳若ければ金額が低くなるのは当然。
分かりにくいのでいくら貰っているのか?と聞いてみた。
昨年度のボーナスは4.15ヶ月だということなので、42歳でおよそ660万円ということになる。横浜市の人事委員会より、今年度について給与は0.8%減額すべきで、ボーナスも4.15ヶ月を4ヶ月に減額するよう是正勧告があり、議会で承認されたとのこと。
この是正勧告により、年収は約648万円となる。
が、民間に比べるとはるかに高い。ちなみに市長の給与も日本一で、2,588万円。
自分たちの給与を下げて、市民のために税金を下げたり、ゴミ収集の回数を増やしたりする財源にすべきだと考えませんか?という質問には、「私の決めることではない」との答えであった。
ただし、国税局発表の民間平均給与の406万円程度まで給与が下がったとしても、今の仕事を続けますか?という質問に対して、市川さんは「はい、続けます」とお答えになったことを付け加えておく。また、ご自分の給料は適切か?という質問に対しては、「人事委員会で決められたものなので、もちろん、適切だと思っています」という回答であった。
取材を終えて
横浜市は一般サラリーマンからの税収が85%を占めているという割合も日本一。つまり、平均給与僅か406万円(横浜市民の平均はもう少し高いと思われるが)のサラリーマンからの税収に大半を依存しながら、600万円台半ばの給与をもらっているということなのだ。
横浜市は政令都市中、対人口比で最も職員の数が少ないので、個々の能力が高く、仕事量も多いかもしれない。
しかし、民間企業の多くは常にその状況で働いているのだ。
横浜市職員の給料は適切なのか?と言われれば、はっきり言って、筆者は高すぎると思う。
さらに横浜市は5兆円もの借入金残高を有している。一般企業ならば、とっくに倒産している。
倒産もリストラもない公務員とは言え、自分たちの給与レベルについて自覚を持つべきだ。
確かに、彼らの給与は人事委員会で吟味され、最終的に市議会で議決されたものである。
しかし、給与水準を調査しているのが、横浜市職員なのは、大きな疑問だ。
この件に関し引き続き調査するために、横浜市人事委員会及び市会議員にインタビューを行っていきたい。
※本記事は2011年4月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。