場所:三国防波堤灯台(福井県坂井市)

雄島地区灯台利活用プロジェクトコンソーシアムは、福井県坂井市の三国港突堤周辺を歩き、日本の夕陽百選に選ばれた絶景と日没とともに点灯する灯台を見ながら、海と灯台を通してまちのなりたちや歴史に触れるガイドツアー「三国 灯台まちあるき」を2024年11月1日(土)に開始しました。
この取り組みは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、日本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施しています。



<イベント概要>


実施の背景と目的
まちあるきツアーを実施した三国港は、室町時代に成立した日本最古の海洋法令集「廻船式目」において、重要な10の港を指す「三津七湊(さんしんしちそう)」の一つとされ、古来より日本海側における重要な港として位置づけられてきた港です。江戸から明治にかけては日本海海運で活躍した、主に買積みの北国廻船(かいせん)である北前船の寄港地として栄え、北前船の出入りを助けるために当時の豪商たちが発起人となって築いた堤防「三国港突堤(三国防波堤)」が今も残っています。この突堤に立つ「三国防波堤灯台(三国港突堤灯台)」は、港とともに発展してきた三国の町の栄枯盛衰を見届けてきた、まちの歴史を語るうえで絶対に欠かすことができない存在です。
このガイドツアーは、三国港突堤を切り口に「荒波の浪漫(一攫千金)を追い求めた北前船の男たちの歴史」に触れていただくことで、参加者の皆さんが海と灯台と人の営みの深いかかわりに触れられる機会を創出することを目指しています。
灯台を通して江戸時代と現代とのつながりを実感
まちあるきツアーの初日は地元の小学校と連携し、校外学習の一環として実施しました。子どもたちは、普段この場所に立ち寄る機会が少ないこともあってか、三国港突堤が作られた理由や灯台の役割についてのガイドの説明を興味深そうに聞き入っていました。

浜辺から三国港突堤と三国防波堤灯台を眺め、解説に耳を傾ける子どもたち

2日目以降は、体験予約サイトから事前に申し込んでいただいた旅行者の方などを対象に実施。三国港の地理的特性や三国港突堤の成り立ちについて説明したほか、江戸初期に三国から松前へ向けて出港した船が暴風雨で流されて清国に漂着し、翌年日本に送還された経緯を記した文書「韃靼(だったん)漂流記」についても紹介。1年半ぶりに故郷に帰ってきた船員たちは、当時の灯台(灯篭)を目印にここまでたどり着いたのでは――というエピソードをお話ししました。また、江戸時代に港に出入りする船や灯篭の番をしていた家の子孫が今も三国にお住まいであることも紹介し、灯台を通して江戸時代と現代がつながっていることを実感していただきました。



参加者の声
「普段この場所を歩く機会がなかったので、歩いているだけで非日常を感じられた。空や夕日、水平線がきれいだった」
「灯台の役割が分かって楽しかった」
「とても景色がよく、参加して良かった」
「初めて灯台があることを知りました」
今後の展望
初めての取り組みですが、これまで参加した方々からは大変好評をいただいています。個人で突堤を散歩して灯台を訪ねている観光客の姿も多いことから、歩いただけでは分からないまちの歴史や背景を知ることができるまちあるきツアーには、まだまだ潜在的な需要があると考えています。今後は、ガイドがいない場合でも解説付きのまちあるきが体験できるよう、GPS定点音声システムを活用したVチューバーの音声によるガイドコンテンツを作成する予定です。

<団体概要>
団体名称:雄島地区灯台利活用プロジェクトコンソーシアム
活動内容  :三国防波堤灯台とその周辺の親水エリアにおいて、デジタルとアナログを融合させた次世代型灯台空間を創出する事業に取り組む。






海と灯台プロジェクト
人と海は、時間的にも空間的な意味においても「灯台」を境に関わってきました。航路標識として、従来の船舶交通の安全を担うという重要な役割から広がりつつある灯台。その存在意義について考え、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、日本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していくプロジェクトです。海と灯台プロジェクトは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
海と日本プロジェクト公式サイト https://uminohi.jp/
海と灯台プロジェクト公式サイト https://toudai.uminohi.jp/
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