市経済観光課の鈴木仁係長も「逗子は本来、遠浅で波が静かなのでファミリー向けのビーチ。『(音楽や飲酒でなく)海水浴を楽しむための海水浴場』にリセットした。
5年後、10年後という中長期的な逗子の海水浴場のあり方を考えている段階」と話していた。
逗子市では関係者や市民をメンバーにした「逗子海水浴場のあり方検討会」を設立しており、規制の内容が妥当なものかなどについて、引き続き話し合いを続けていく考えという。
客数75%、売上80%ダウン?
では実際、海の家を経営する人や利用客は「リセット」した逗子海水浴場をどのように感じているのだろうか。
お話を伺ったのは、逗子海岸営業協同組合代表理事の原淳さん。原さんが営む海の家「Field&Sea(フィールド アンド シー)」では、客足は去年の2割以下といい、予定していたスタッフの数も大幅に削減したという。
事実、逗子市がまとめている海水浴場の利用客は、海開きをした6月27日から7月21日までで約2万6000人(速報値、前年同期比は約7万4000人減)と大きく落ち込んでいる。
原さんは「家族連れ、特に子どもが安心して楽しめるというのは当然大事だが、規制が厳しくなりすぎて客足が遠のくことが心配。あらゆる世代が楽しめるビーチを目指して市と話し合いを続けたい」としている。
利用客の反応はさまざま
一方で、利用客の声はさまざまだ。
毎年、逗子海水浴場を訪れていて、今夏初めて訪れたという30代男性と20代女性のカップルは「テレビで見て規制は知っていたけど、ここまでひどいとは思わなかった。タトゥーは理解できるが、ビーチでお酒も飲めない、音楽もないではつまらない。もう来ない」と厳しい意見。
ただ、ビーチから徒歩5分ほどのところに住み、子どもがいる30代男性によると「静かになったというか、品が良くなったというか。昔の逗子に戻った感じ」という。
子どもが友達同士ということで、グループで来ていた母親も「ビーチだけでなく、駅や周辺商店街もおとなしくなった。安心して子どもを連れて来ることができる」と条例に肯定的だった。