どうしてこんなに早いの?

日本では世界で最も遅く、今年3月に『アナと雪の女王』が公開されました。多くの皆さんがご存知の通り、日本でも小さい子や若い女性を中心にして「アナ雪」人気は高まりました。

7月22日時点で映画の興行収入は251億円、観客動員数は1,974万人に達しており、まだまだ記録を伸ばす勢いです。国別の興行収入では日本はアメリカに次いで第2位になっています。7月16日に発売されたMovieNEX(DVD、ブルーレイなどのパッケージ)は8月3日までで250万枚以上が売れています。

では、どうして作品の公開から1年もたたずに東京での2人の登場、そしてスペシャルイベントの実施が決まったのか。それは作品の人気に加えて、客足が落ち込む1月~3月のテコ入れ、さらには将来的なパレードやグリーティングでのアナとエルサの導入を考えているのではないかと思われるのです。

まず一番の大きな理由として考えられるのは、やはり『アナと雪の女王』が人気を集めているということでしょう。

映画公開直後と比べて、その人気はだいぶ落ち着いたように思います。ただアナとエルサがパッケージに描かれた様々な商品が登場するなど、現在も人気は衰えていません。人気が冷めないうちに、オリエンタルランドが東京のパークへアナとエルサの導入を決めたと考えられるのです。

実際、今年6月に開かれた株主総会では、株主からのアナ雪活用に関する質問に対して「ご期待ください」と、かなり踏み込んだ発言もありました。

次に考えられるのは「1月~3月のテコ入れ」です。例年、気温が低く、天気もあまりよくないこの時期は「閑散期」と呼ばれ、客足が落ち込む傾向にあります。

かつてはこの時期にスペシャルイベントを企画して集客していましたが、近年では学生向けの割引パスポート「キャンパスデーパスポート」を販売して、高校生や大学生を狙った集客を行っています。特に卒業旅行や早めに春休みに入る学生を狙ったキャンペーンが行われているのです。
 

オリエンタルランドの営業利益の推移。夏休みの7月~9月やハロウィーンとクリスマスの10月~12月と比べて、1月~3月の第4四半期が苦戦しているのが分かる。

今年は昨年の30周年イベントの反動で、ただでさえ客足が落ち込むことが考えられています。そこでオリエンタルランドが人気のコンテンツであるアナ雪をパークに導入して、集客の目玉にしようとしているのではないかと考えられるのです。

最後に考えられるのが「将来的なパレードやグリーティングでのアナとエルサの導入」先ほど、海外のパークではアナとエルサがパレードやグリーティングに登場していると書きました。

今回のスペシャルイベントではパレードルートを使ったグリーティングが行われますが、通常の昼や夜に行われるパレードへの登場や、写真撮影といったグリーティングは予定に含まれていません。ただ、アナとエルサの人気を考えると、今後これらプログラムの実施は十分考えられます。将来的な導入を見越して、まずは今回のスペシャルイベントで地ならしをしようとしているのではないかと考えられるのです。

 

アメリカ・フロリダのマジックキングダムで行われているアナとエルサのグリーティングの様子を紹介するDisney Parks Blog © Disney

東京独自のプログラムになる?

今回のスペシャルイベントでは「映画のあとの世界」がテーマになっています。

これまでショーのプログラムやグッズで使われる絵は、作品本編やキャラクターアートの使いまわしがほとんどでした。しかし今回のイベントでは映画のあとの世界がテーマになっていますので、新しくイラストが描かれる可能性が高いです。

最近では「ディズニーツムツム」のように、日本発のディズニーコンテンツが海外で展開される事例もあります。ディズニーが東京での反応を見て、同様のプログラムを海外のパークで展開することも十分考えられるのです。

「アナとエルサのフローズンファンタジー」は来年1月13日から、東京ディズニーランドで開催されます。どんなプログラムになるのか、今から楽しみですね。

 

 

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