誉田哲也原作による警察小説“姫川玲子シリーズ”が
竹内結子主演で『ストロベリーナイト』(フジテレビ系列)として放送中。
同ドラマの初回視聴率16.8%は、2012年の民放各局の冬ドラマの初回視聴率において、堂々のトップを飾った。民放だけではなく、数字が良くて当然のNHK大河ドラマの『平清盛』の初回視聴率は、17.3%。
『ストロベリーナイト』は、わずか0.5ポイントまでに迫る勢いであったワケだ。
ちなみに、2012年1~3月民放新作ドラマの視聴率ランキングは以下の通り。
1 ストロベリーナイト (フジテレビ) 16.8%
2 ラッキーセブン (フジテレビ) 16.3%
3 最高の人生の終り方 (TBS) 15.3 %
4 ハングリー! (フジテレビ) 14.2%
5 理想の息子 (日本テレビ) 13.9 %
6 運命の人 (TBS) 13.0 %
7 ダーティ・ママ! (日本テレビ) 12.7%
8 最後から二番目の恋 (フジテレビ) 12.1%
9 ステップファザー・ステップ (TBS) 10.4%
10 早海さんと呼ばれる日 (フジテレビ) 9.8%
11 13歳のハローワーク (テレビ朝日) 9.3%
12 デカ 黒川鈴木 (日本テレビ) 5.3%
2010年11月13日にスペシャル・ドラマとしてオンエアされた『ストロベリーナイト』のDVD化。
『ストロベリーナイト』シリーズの記念すべき第一作であるこの本編が14.0%という好視聴率を獲得したことで、連ドラ化へと至ったことは間違いない。
※『ストロベリーナイトDVD』は、2012年2月末にリリース予定。スペシャルメイキングを収録した豪華版である。
さて、ドラマ『ストロベリーナイト』は、1月17日の第2回放送でも、初回より0.1ポイントアップの16.9%をマーク。
まさに、2012年冬のドラマの顔になりつつあるといったところだ。
この『ストロベリーナイト』の高視聴率の要因は、おもに四つの柱から構築されている。まず一つ目は、ズハリ、実力と人気を兼ね備えた竹内結子という女優の存在。
かつて『ムコ殿』『ランチの女王』『不機嫌なジーン』『プライド』『天国の本屋』『いま、会いにゆきます』など、
数々のヒットドラマのヒロインをこなし、“恋愛モノ女王”あるいは“日本のメグ・ライアン”呼ばれたものである。
そんな彼女は、本作で初の刑事役に挑戦。
彼女が演じる姫川玲子刑事はノンキャリアでありながら異例の出世を続けている叩き上げの女刑事。
地味なスーツ姿、地味なメイク、地味なヘアスタイル、地味な佇まい……。
つまりは、竹内演じる姫川玲子刑事という役は、
彼女のこれまでの魅力である、爽やかさ、透明感、明るさ、愛らしさ、コケティッシュといった武器を、まるっと、封印した役なのである。
ところが……竹内結子、恐るべし。
お得意の武器を封印してなお、今回、新たな武器で違った魅力を放っている。
男社会を生き抜い抜いてきた、女の強さ、狡猾さ、しなやかさ。
男社会に疲れた女の苛立ち、弱さ、儚さ。
彼女は、男社会に生きる女を鮮やかにしたたかに体現しているのである。
それは竹内結子という女優が、先天的に持っていた才能であると言える。
同時にそれは竹内結子という女性が、結婚・出産・離婚、そして育児
という経験を積み重ね熟成してきた、後天的才能であるとも言える。