30代男性向け『小さな家、可愛い家』(ミミ・ザイガー・黒崎敏訳/二見書房)
「世界の狭小住宅を紹介する作品。工作好きの少年に戻って、あるいは秘密基地に興奮した時代を思い出して、こんな家に住めたらと想像を働かせてみると、とても楽しい作品です。読んでつかの間忙しい日常を忘れるもよし、子どもがいる人は、彼らの気持ちを知るために読んでみるのもいいかもしれません」
30代女性向け『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(ジェーン・スー/幻冬舎)
「女性はいくつになっても、生涯一女子。自分の中の『女子』性を隠すのが辛い人、または『その年齢で女子とは図々しい』と文句のある男性に向けた、『女子とはなにか?』を考えさせてくれる本です」
40代男性向け『望みは何と訊かれたら』(小池真理子/新潮文庫)
「過激な学生運動の時代に、殺意と愛情がせめぎ合う極限状態での人間の結びつきを描き切った、恋愛小説の傑作です」
40代女性向け『平凡』(角田光代/新潮社)
「ふだん忙しく、自分に別の可能性があったかもしれないことなど忘れてしまっている人も、この本を読むと『きっとあのときあの道を選んでいたら』とつい想像してしまう…。そんな作品です」
50代男性向け『独居老人スタイル』(都築響一/筑摩書房)
「老人がひとりで暮らすことは情けなくわびしいだけー。そんな定説に真っ向から反対する作品。ひとりは自由だ! ひとりは楽しい! ひとりが最高だ! と訴えかけてくるノンフィクションです」
50代女性向け『おみやげのデザイン』(ビー・エヌ・エヌ新社)
「全国各地のキレイで可愛いお土産品のパッケージを集めた本。おみやげ目当てに旅に出るもよし、お取り寄せするもよし。暮らしを潤すきっかけにどうぞ」
秋は、心の滋養になる素敵な本との出会いの季節。自分を変える「きっかけ」になる作品を見つけてみてください。
取材協力・笈入建志さん
東京・千駄木で書店「往来堂書店」を営む。独立系の小規模店ながら、独自の目線で仕入れる本のラインナップに根強いファンが多い。書店からの情報発信にも力を入れる。