後輩の芸人のためには、ネタ番組が増えて欲しいなって思う
――改めて伺いますが、バイきんぐの活動のなかで、単独ライブはどんな位置づけですか?
小峠「テレビでやるネタを一気に作っていく感じですね。ずっとライブ主体でやってたんですけども、2012年の『キングオブコント』で優勝させていただき、テレビ主体の活動になって。どうしてもネタから離れがちになっていくんですけど、年1ぐらいでネタを書いておかないとコントの能力が落ちてしまうと思うんです。なので、年1回、3、4ヵ月間はネタを考えて、ネタを書ける能力をキープするような期間ですね」
――テレビで披露するため新ネタを作っているのに、そうしたネタ番組がほとんどないのが現状ですよね。前回のインタビューでは『お笑い氷河期』と表現されてましたが、その後、変化はありましたか?
小峠「いや、変わんないでしょ」
西村「地上波のネタ番組は、特番くらいしかないですからね。こうやって単独で作ったネタをテレビで見てもらいたいなというのはありますね」
小峠「僕は特にそうは思わないです。ただ、僕らの全然後輩の芸人のためには、ネタ番組が増えて欲しいなって思いますね。やっぱり『オンバト』(NHK『爆笑オンエアバトル』)みたいな番組がないと、年に1回の賞レースだけだったら、あまりにもギャンブル性が強いというか、1年間、ネタをいろいろかけて、研磨し続けて、そこがダメだった時にその先どうするんだっていうね。キツイと思いますよ」
西村「モチベーションを保つのが難しいですよね」
――ネタに限らなければ、コンスタントにテレビ出演されているおふたりですが、冠番組への野望などはありますか?
小峠「いつかやらせてもらえたら、やりたいですね」
――どんな内容になるんでしょうね。
西村「小峠が僕に指示を出して、危険なところへロケに行くんでしょうね」
小峠「なんだそれ。冠持ってるコンビが、片方スタジオ、片方ロケってないだろ(笑)」
元気よくスベるのと、元気なくスベるのでは、大きく違うと思うんです
――バナナマンの設楽さんは、よく「コント師は2回売れなければならない」とおっしゃってますが、その辺は実感されてますか?
小峠「僕はコントの時のテンションと、他の平場とのテンションに差ないので、そこは少し楽でしたね。ラッキーだったと思います。漫才の人は、普段のしゃべりとキャラが一緒なんですけど、コントの人たちっていうのは、キャラと平場とまったく違う人が多いですし、それが普通のことですから……難しいところですよね」
西村「僕はネタのキャラと違いますから、まさにそれですね」
小峠「でも、元気出しておけば、8割方くぐり抜けれるような気がするんですよ。元気よくスベるのと、元気なくスベるのでは、大きく違うと思うんですよね。元気なくスベったら痛々しいですけど、元気よくスベったら気持ちいいですもんね」
西村「そうかもしれない。若手芸人は元気がキーポイントになるんですよね」
小峠「ただ、うちの事務所の芸人にもいるんですけど、最初からスベりにいこうとする人がいるんですよ。僕が偉そうに言うのもあれですけど、テレビに出てないのにスベりにいったら、ただスベった奴ですからね。笑いを取りにいったうえでスベるから、それが面白いんであって、スベりにいく体で実際スベったら、面白くもなんともない。たまにライブとかで見た時とか思いますね」