映画化もされスマッシュヒットを記録した『死刑にいたる病』をはじめ、巧みな心理描写とサスペンスフルな展開で支持を集める櫛木理宇の人気小説を全6話でドラマ化した『連続ドラマW 鵜頭川村事件』がWOWOWにて放送・配信となる。
閉ざされた村で起こる連続殺人事件を描く本作で、娘を連れて行方不明の妻を捜し、彼女の故郷である昔ながらの因習の残る鵜頭川村を訪れる主人公の医師・岩森を松田龍平が演じる。
松田のWOWOWドラマ主演は『同期』(2011年)以来、11年ぶりとなるが、同作でもタッグを組んだ入江悠監督が本作でもメガホンを握っている。松田に本作への思い、さらに来年40歳を迎えるにあたっての心境などを聞いた。
入江監督とは2度目のタッグ「“違和感”をスルーせずにやりたかった」
――“WOWOW初のパニック・スリラー”と銘打たれた本作ですが、出演を決めた理由を教えて下さい。
コロナで撮影が1年以上延期になって、その期間に結構脚本も変わったりで、原作からドラマの脚本『鵜頭川村事件』になったと思います。結果的に良いタイミングで撮影に入れたのかもしれないです。入江さんとは『同期』で初めて一緒にやらせていただいて、また同じWOWOWでやれることに嬉しい縁を感じますね。
――『同期』は松田さんにとっても、連続ドラマ初主演作ですが、当時の思い出などはありますか?
『同期』に入る前に入江さんの『SR サイタマノラッパー』(08)を観ていたからそのイメージが強くて、男臭い刑事ドラマをどう撮るのか想像できないところがあったんですけど、撮影ではあえて外すようなこともなく、きっちりと撮っていて意外だなと思った記憶があります。
実はあの撮影で、自分の中にある違和感みたいなものをそのままにしてしまった瞬間があって。その瞬間を今回11年ぶりの入江さんと、また違う面持ちでやってみたいなって思っていました。そういう意味でも力が入っていたと思います(笑)。久しぶりにやってみて自分自身気づくことが多くて、いろいろ本当に面白かったです。
――本作の放送・配信を伝える第一報のリリースで、入江監督について「クセの強さは相変わらずでした(笑)」とコメントされていましたが、どういう部分に入江監督のクセの強さを感じたんでしょうか?
それは、ふざけてました。いや、クセがないところがクセというか。入江さんはどちらかと言うと自分のイメージを役者に当てはめるのではなくて、役者が表現したいものを淡々と撮る監督なんじゃないかなって、今回撮影していて思いましたね。自分が「これです!」って演じれば、ある意味なにをやってもOKが出ちゃうんじゃないかってぐらい。
逆を言えば、「これですか?」でも淡々と撮影は進んでいき、あっという間に撮影が終わっちゃうような。まあ、それはどの現場でも同じなんですけど。なんて言うか、良い緊張感の中で楽しませてもらったんです。