その上で、市が現状行っているのは防犯カメラによる監視と抑制、警備員の巡回、持ち出し禁止を呼び掛ける啓発のみにとどまっている。これだけでは十分とは言えないだろう。7
坪内課長も「根本的な解決策とは言えない。今のままだと不明除籍図書は減らないだろう」と危機感を見せる。「持ち出しを確認したら、それは窃盗だし、毅然とした対応を取るが、ICなどについては市の政策判断にゆだねる」と話した。
取材を終えて
まずは、年間に2万冊近い書籍が、しかも毎年のように無くなっているという事実に驚きを隠せない。
毎年変動するので一概には言えないが、平均的に0.5%ほどが「不明除籍図書」になるということは、昨年度書籍購入に充てられた1億5000万円のうちの75万円がいわば「どぶに捨てられた」格好だ。
これは間違いなく税金であることを忘れてはならないし、坪内課長が言う「心のバリアが低くなった」というだけで片付けていいものでない。
このような現状が続けばIC管理やそれに変わる施策を検討しなければならないだろうし、そのためには、また多額の税金がかかることは間違いない。
証拠や根拠がないため「不明」という言葉を使っており、現状は利用者のモラルに頼るしかないのだが、書籍を持ち出すという行為は窃盗罪というれっきとした犯罪であることを自覚してほしい。
その上で、これ以上の被害が増えないことを願いたい。
※本記事は2014年9月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。
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