宇宙に浮かぶ「月」も、こんなにキレイに撮れる!
ここで、「PowerShot SX60 HS」を望遠端(目一杯ズームした状態)まで、ウイーン……とズームしていくと……ここまで月を拡大して撮ることができるのです! その倍率は実に65倍! 焦点距離にして、なんと35mm換算1365mm! クレーターまで見えそうなくらい鮮明に写っています。これはちょっと感動モノですよ。
昼間の月だと少しぼんやりしてわかりづらいかもしれないので、夜空の月でも撮ってみました。いかがでしょう。かなり画質も良好だと思います。通常、ズームレンズは目一杯ズームすると画質が落ちることが多いのですが、「PowerShot SX60 HS」は特にそういうこともありません。
ちなみに画素数は1,610万画素。これくらいあれば、トリミングしてさらに拡大することも十分できそうですし、実際「PowerShot SX60 HS」には130倍や260倍まで伸びるデジタルズームも付いています(原理としてはトリミング)。
これなら、スマホではどうにもならないような場面にも対応できますね。たとえば僕の場合、取材で遠くからイベントを撮影するような機会が多くあります。普段はだいたい光学10倍くらいのズームレンズを使っているのですが、それではちょっと被写体が小さいなと感じることもあります。今まではトリミングで対応していたのですが、そんなときに「PowerShot SX60 HS」があるととても助かりそうです。ご家庭なら運動会などで役立ちそうですね。
「野鳥」の撮影に挑戦
次に野鳥を撮影してみることにしました。高倍率ズームレンズといえば、野鳥の撮影にもってこいのカメラです。ちなみに僕は野鳥の撮影はこれまで一度も経験がなく、今回が生まれて初めての体験となります。ズブの素人が「PowerShot SX60 HS」でどこまで撮れるのか。
お、いたいた! 野鳥がたくさんいます。ちなみにこれが、だいたい肉眼で見える景色です。これ以上、近づくことはできないので、ここから撮影することになります。「PowerShot SX60 HS」の超望遠ズームを使うと、
ここまでアップで撮ることができました! 思わず笑ってしまうくらいにスゴイ。羽の細かい模様までしっかり写すことができており、画質もかなり良いですね。「PowerShot SX60 HS」は液晶画面を見ながらでも、ファインダーをのぞきながらでも撮ることができるのですが、電子ファインダーの見え方もなかなか良好。
電子ファインダーについては、個人的に236万ドットあれば理想的、144万ドットで合格、92万ドットで実用できる最低限の数値という感じ。それ以下だと、単に構図を確認するだけ、という感じで撮っていてテンションが上がりません。「PowerShot SX60 HS」は92.2万ドットなので、ギリギリ実用になります。ここは本当に一世代前と比べて、グッとよくなったなと感心しました。
ところが、ここで問題が発生。いや、「PowerShot SX60 HS」の問題ではなく、僕の腕の問題なのですが、超望遠で撮影していると、被写体の鳥がちょっと動くだけですぐにフレームから外れて見失ってしまうのです。また、風景のかなり小さな一部分を切り取っていることになるので、手ブレの影響もかなり大きく出ます。さて、どうするか……。
そこで思い出したのが、フレーミングアシスト機能。ズームした状態でレンズ横の探索ボタンを押しっぱなしにすると、そこからグググッと瞬時にレンズをワイド側に戻して、フレームアウトした被写体を探すことができるのです。
被写体を発見したら、中央の白い枠を合わせてすかさずボタンから指を離します。すると、再びグググッと被写体に自動でズームし、もとのズーム倍率に戻してくれるのです(今回は月を撮影した時に撮った写真で説明)。
これ、ちょっと前からキヤノンの高倍率ズームコンデジに搭載され始めた機能なのですが、使ってみるとめちゃくちゃ便利。特に鳥のように、遠くで動いているものを撮るときは非常に重宝します。いちいちズームを戻して、またズームして……よりもはるかに楽なんですよね。
また、探索ボタンの下にある固定ボタンも便利で、これを押しっぱなしにすると強力な手ぶれ補正機能により、画面のブレを防いでくれます。この2つの機能がなければ、すぐに被写体を見失って細かくズームイン・アウトを繰り返すことになり、かなりストレスが溜まっていたと思います。ただ、白枠の周囲はグレーアウトしない方が個人的に探しやすいと感じました。