子どもは絶対に渡したくない!「親権」で気をつけるべきこと

離婚する場合、子どものいる夫婦は、問題も複雑になりそうです。

 

「主婦は、収入がないから親権を得られないのではないかと心配する方もいるのですが、親権はそれまでの監護状況が非常に重要です。その子の面倒を、誰が、どれだけみていたか、が一番大事です。ですから、どんなに辛くても絶対に子どもを置いて家を飛び出してはいけません。そこで子どもを置いていってしまうと監護状況の面で不利になってしまいます。

 

また、兄弟がいるなら全員一緒に手元に置いておくことをおすすめします。例えば、3人兄弟の末っ子だけ連れていった場合、兄弟は一緒にいるべきものと判断されることが多いので、兄弟がいる側に親権をとられてしまうこともあります。

養育費は子どもを抱えている人に対して相手方が払うものなので、子どもを連れている方が金銭面で有利です。また、もしも“養育費はいらない”と言っていても、養育費に関しては後からでも請求できます」

後から子どもを迎えに行こうなどと考えて、ひとりで家を出てはいけないということですね。
 

離婚するべき人、離婚しないほうがよい人

客観的に見て「離婚を思いとどまった方がいいのでは?」という夫婦はいますか?

「例えば、結婚直後に、夫からことばの暴力など“モラハラ”を受けている、辛いから離婚したい…と相談に来た女性がいます。そこで、弁護士が入り、夫の心ない発言が苦痛で離婚したくなるほど追いつめられていると伝えました。すると、夫は、自分の発言が妻を苦しめているということに全く気付いていなかったのです。弁護士が入ったことで夫が改心し、今ではラブラブ…という夫婦もいます」

結婚間もない夫婦は、お互いの生活や性格を完全には掴めていない。だから、話し合えば、分かり合える可能性があるということですね。

逆に、離婚した方がいいタイプはありますか?

「浮気を繰り返す、酒酔い、暴力が治らない男性とは早く別れるべきです」

やはり、これらは時間をおいても状況が好転するとは望めないですね。このような場合でも、離婚に向けてしっかり準備する必要がありますね。

「スムーズに離婚するためにも、しっかり証拠を集め、有利な状況を作り出してから離婚を切り出すべきです。一番ダメなのは、離婚したいから離婚するという場合。みなさん、しっかり離婚の知識をつけてから離婚を切り出しましょう」

 

今回取材した篠田恵里香先生が編著を担当した電子書籍
マンガでわかる「愛と慰謝料の掟(ルール)~請求したい妻編~」 [Kindle版]
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大学院卒業後、銀座のクラブホステスになるという異色の経歴の持ち主。「銀ホスライター」として、老舗クラブで磨いたコミュニケーション術&営業テクニックを、悩めるビジネスパーソンに向けて紹介。恋愛・結婚・出産など、女性にとって身近な問題を研究し「今よりちょっとだけ人生を豊かにする方法」を提案しています。