V系シーンにおけるバンドの立ち位置とは

―― この5人体勢になってから、ノクブラはV系シーンでの存在感をかなりアピールしていると思いますが、V系シーンの中で自分たちのバンドはどんな立ち位置だと思いますか? 

Masa  “ヴィジュアル系”なんだけど独自のファン層を持っている、どこともかぶらない世界観を持ったバンドっているじゃないですか? イメージ的に言うとGargoyleさんとか陰陽座さんとか。俺らもそういうイメージに近いのかな、と思います。僭越ですが。ジャンルとしてはV系だけど、V系好きなファンからしても「V系なのかな?」って疑問に思われる感じ。自分たちのバンド名を、ひとつのジャンルとしているバンド、という感じかと。

―― 最近はV系のイベント、例えば「stylish wave」などにも出られていて、他のバンドと対バンすることも多いですね。出てみた感想としてはいかがでしたか?

Masa 初めましてのところからスタートする感じですよね。まずは聴いてみて触れてみて、という感じ。アウェイかどうかも出てみないとわからない状態でしたね。

Cazqui 最近は、だんだん受け入れられてきてたかな? という気持ちはあります。

―― ラウドやメタルなど方面の音をノクブラで初めて聴く人もいるでしょうしね。ヴィジュアルも音もハードなノクブラですが、それに対して初めての人が尻込みしたりする反応はありませんか?

Masa めっちゃあります!

 

Gt.Cazqui 拡大画像表示

Cazqui でも、“怖そう”という印象については、ホラー映画とかお化け屋敷とかの“怖いもの見たさ”と同じ種類の好奇心を持ってもらえたら「しめたもんだ!」と思うので。ロックって、本来はトゲのある文化じゃないですか。悪影響を与えると決めつけられて、大人に「見ちゃいけませんよ!」って言われたり(笑)。そう言われてもつい見たくなるような好奇心を掻き立てるのって、すごく大事なことだと思っています。

尋 こっちは“怖いもの”だと思ってやってないしね。自分に合った自分らしいメイクや恰好をしてたら、たまたまそう見えるだけで。

Cazqui 外から見てそう見えるならしょうがないけど、自分達が「かっけぇ!」と思うものをやってますからね。そもそも人と違った部分や、マイノリティな側面を追求した結果として生まれたのが、ロック文化としての日本のヴィジュアル系ですよね。自分たちの個性を視覚、聴覚の双方で表現できるのはこのジャンルならではだなぁと思います。誰かがそこに共感してくれたり、興味を抱くきっかけになれれば嬉しいですね。

―― そこがV系というジャンルでバンドをやっている理由でもありますか?

Cazqui そうですね!

―― 先ほどおっしゃっていた前身バンドは、ジャンルで言うとラウドメタル畑だったと思うのですが、V系と言われるようになった、つまりメイクをするようになったのは、どのタイミングですか?

Masa 2011年の末頃……1枚目のミニアルバム『Ivy』を出したあたりからですね。

 

Gt.Daichi  拡大画像表示

Daichi 僕は元々、お客さんと同じでこのバンドを第三者目線で観る側だったので、メイクをしてない時期からメイクをし始めたタイミングまでリアルタイムで観てきたんですけど……。もともとメンバーは、音楽の根本にV系がある人たちの集まりなので、メイクをしたからと言って何が変わるでもなく、このバンドの武器や表現方法が増えただけなんだなって、見ていて単純に思いましたね。