ただメイクしたってだけで「そんな簡単に人気出ねぇよ!!」って思う(笑)
―― あくまで表現方法が変わっただけだと。昔から今に至るまで“ジャンル:NOCTURNAL BLOODLUST”、コンセプトを変えたという意識はないわけですね。
Cazqui 全くないですね!
Daichi 例えばシンフォニックな曲をやるとしても、私服で演奏しているよりも、それに合った衣装を着ていた方が雰囲気あると思うし。メイクも衣装も、表現方法のひとつだと思っています。
Cazqui ただ、独自の音楽をやっているからと言って、自分たちがいるカテゴリーにリスペクトがないって思われるのだけは避けたい。V系という歴史あるジャンルを足蹴にして「俺らは俺らだ!」って言ってるわけじゃなくて、V系があるから今の俺たちがあるって思ってるので。
Masa 「アイツらと一緒にされたくない」みたいに、毛嫌いで孤立を図ってるわけじゃないんですよ。「全部好きだから全部やる!」っていうだけなんです。メンバー自身、ルーツには V系もラウドもあって、それを表現しているだけですからね。誤解されやすいのが、俺らが「V系をバカにしている」とか「売れるために来た」とか。そういう先入観もわかるし、 V系好きな人だからこそ、そう思うのかもしれないけど……。
Cazqui 前の事務所の方針で、他ジャンルから来たっていうのを大々的に打ち出されちゃったところもあって。だからそういう風に思われるところもあったのかなぁ?
Masa 俺らはもともとV系の音楽もすごく聴いてきたバンドだし、あくまで楽曲だったり世界観に合わせたメイクをしているだけなんで。例えば「DESPERATE」って曲のPVがあるんですけど、あの衣装とメイクがなければ、あんなにもドロドロした世界観出せないですし。あと 、ただメイクしたってだけで「そんな簡単に人気出ねぇよ!!」って思う(笑)。そんな簡単なジャンルじゃないのわかってるでしょ、って思いますけどね。
Daichi 逆にそこまでV系というものに否定的な人間には、僕らが怒るよ。
―― 今の話から、立ち位置的に苦労していそうな雰囲気がうかがえます(笑)。
尋 外からのそういう言われようは慣れてますけどね。
Cazqui そういうのを跳ね除けるために、アー写やCDのアートワークにこだわり抜いています。
Masa もちろん、自分たちのファンはわかってくれてると思います。
尋 結局、何もわかってない人が言っていることなので。 ただ、音楽を聴かないのに、そういうことを言うのはちょっとなぁ……と思います。なんでそういう偏見だけでいらんことを言うのかな、と。音聴いてカッコよければ、それでいいんじゃないか、と。
―― 下手に偏見を持ってかかると、もったいないですよね。
Masa ノクブラの理解者がひとりでも増えて欲しいと思って活動してきていますが、近頃徐々に増えつつあるのでありがたいです。
尋 俺たち自身は音楽を楽しいと思って活動していますよ。
―― では、そろそろ音楽のお話を聞いていきたいと思います。12月17日に発売された最新アルバム『THE OMNIGOD』もそうですし、個人的にノクブラのアルバムはストーリーが見えるアルバムが多いと思うんです。そういったコンセプトは、いつもどうやって決めてらっしゃるんでしょうか?
Masa 俺らの場合は、「こんなアルバム作りたいな」というのはもちろんあるんですけど、どちらかというと作る曲ごとに、すでにそれぞれの芯がある状態。それをまとめるとひとつの形になってくる、という感じです。最終的にそこにストーリーを吹き込んでいくのは、ヴォーカルの尋の役割ですね。
尋 今回は、表題曲の「GENESIS」からすべてを派生させていく形でした。表題曲を何にするか話し合う中で、Cazquiが作ってきた「GENESIS」が一番今の自分らに合ったスタイルじゃないかということで、歌詞付けをしていって。「GENESIS」の歌詞からほかの曲たちに、登場人物たちを派生させていった感じですね。