ひと昔前とは違い、出産や子育てをしながらも働き続けることが標準化しつつあります。
女性が社会で活躍する一方、それを支える男性の意識も、仕事と家庭の両方を大切にしようと変化してきています。「イクメン」「家事メン」、「イケダン」など、家事や子育てに積極的に関わる男性を表現する造語が増えているのも、その象徴ですよね。
平日の夕方、街中で抱っこひもをしながら帰路につくパパ、Facebookで主婦顔負けの手料理写真を投稿するパパなど、改めて観察してみると街中でもネット上でも、心温まる光景を目にすることができます。
そんな男性の変化は、忙しい日々に悩殺されているママたちにとっても嬉しい変化ではないでしょうか。
しかし、このような男性はまだほんのひと握り。家事や育児スキルがないどころか、関心が持てない男性も多いのが現状です。
夫の協力があれば、託児サービスや家事代行、お惣菜フル活用など“できればやめたい”と思っていることをやめられるかもしれませんし、なにより夫婦間、家族間の絆も強いものへと変わるかもしれません。
でも、何もしない夫を変えるためには、何から始めたらいいのでしょうか。
「どうしたら夫を変えられる?」という疑問に答えてくれるのは、ファザーリングジャパンの横井寿史さん。今回は、「家事スキルがほぼゼロの男性をどのようにして“家事メン”に育てるか」について伺いました。
三児の父親でもある横井さんは、毎日の食事や子どもの送り迎えなどを主に担当、他の家事についても率先して行っているそう。横井さんによると、「男性を家事や育児に巻き込むには、家事や育児を自分事だと思わせるように、意識改革が必要」なのだとか。
男性は家事について《面倒》《それをやるのが嫁》と思っている!?
—— そもそも男性は家事を行うことについて、どのように思っているのでしょうか。家事を積極的に行う男性とそうでない男性には、最初からどこか違いがあるのでは?
横井: 「単純に“面倒くさい”とか、“休みの日は寝ていたい”というだけだと思いますよ。できるだけ何もしたくなくて、代わりにやってくれるのが嫁、とか。
家事レベルの低い男性でも、一人暮らしであればなにかしら“する”はず。でもそれをしないのは、代わりにやってくれる人がいると思っているからです。だからこそ、自分事(自分がやるべきこと)と思わせることが一番大切なんですよ。
大きな違いがあるとすれば、その意識があるかないかの差だと思います。」
横井: 「また、自分事でなくなることの原因の一つには結婚当初の女性の行動にも問題があります。
新婚の頃の女性は、良妻になるよう努力して家事のすべてを請け負ってしまいがちですよね。そこで男性は『面倒な家事は全部やってもらえる』と思ってしまうんです。
でも子どもが生まれたりしたら、それまでやらずに済んでいた家事や育児が急に降ってくる。これでは男性が困惑するのも無理はありません。」
新婚当初の女性の頑張りが“なにもできない男性”を育てる一因になっていることは、なかなか女性が気付けないこと。「なんで私ばかり頑張っているのに」と思ったら、自分だけがやりすぎていないかどうか振り返ることも大切ですね。