目撃情報共有マップ「くまっぷ」

Xenonは、誰でも簡単にクマの目撃・痕跡・被害情報を投稿・閲覧できる地図サービス「くまっぷ」を正式リリースした。

地域全体の安全確保に

近年、クマによる人身被害や生活圏への出没は全国的に増加傾向にあり、地域の安全確保は喫緊の課題となっている。しかし、住民が「どこでクマが出たのか」を迅速かつ統一的に確認できる仕組みは、まだ十分に整っていない。

「くまっぷ」は、近年増加傾向にあるクマによる人身被害などを減少させることを目的として作成されたサービス。地域住民や関係者が危険エリアを事前に把握し、安全な行動につなげられるよう支援することを主要な目的としている。クマの出没情報や痕跡を視覚的に共有することで、地域全体の安全確保に寄与する。

クマに関する情報は、多くの都道府県がそれぞれ独自のサイトやSNSなどで情報を発信している。そのため情報が分散し、一か所にまとまっていないのが現状。しかし、クマは県境や市境に関係なく行動する。たとえば、県境付近に住む住民にとっては、一方の県の情報だけでなく隣県の情報も同じように重要となる。そこで、地域・行政・住民の枠を超えて情報を集約し、誰でも一元的に閲覧できる仕組みが必要だと考え、「くまっぷ」の開発に至ったという。将来的には、自治体が公式情報を住民へ届けるための基盤として活用されることを目指している。

「くまっぷ」では、誰でも投稿することが可能(会員登録不要・匿名投稿OK)。情報共有のハードルを極力下げ、地域住民がすぐに情報提供・確認できるよう設計している。投稿された目撃情報・痕跡・被害情報は地図上に表示され、危険エリアの把握が直感的に行える。

また、自治体、防災組織、地域団体、研究機関での利用に向けて、複数名で公式情報を発信・管理できる「テナント機能」を提供している。住民の安全確保に向けた情報発信を、より確実かつ効率的にサポートする。

現在利用できる機能として、「公式投稿マーク(認証バッジ)」では、テナントが投稿したポイントにチェックマークが表示される。住民が「これは自治体等の公式情報」と一目で判別できるため、情報の信用性の担保につながる。

「API連携機能」では、テナントの投稿データをAPI経由で外部システムに提供できる。また、APIから自動で投稿ポイントを生成することも可能となっている。OpenAPI仕様に対応し、クライアントコードを自動生成できる。自治体内の既存システム、防災情報システムとも容易に連携できる。

今後は、蓄積された目撃情報や痕跡情報をもとに、出没傾向や季節変動などを可視化する分析ダッシュボードを提供する予定。また、特定のエリアに投稿があった際に、自治体や担当者に自動で通知が届く機能を計画中。これによって、現場の状況を即時把握し、迅速な対応や情報共有が可能となる。さらに、自治体や地域団体が運用している既存ワークフローに合わせて、「くまっぷ」のテナントAPIを利用したカスタム連携開発も個別にサポートしていく。