男性バックバンドはファンが見たくない! バンドリ!3つ目のバンド「RAISE A SUILEN(レイズ ア スイレン)・誕生秘話!
木谷:ひとつひとつのコンテンツを売るのに、これに何が足りないのか、何が必要なのか常に考えています。
なんで3つ目のバンドを作ったかというと、もともとバンドリ!には5つのバンドが存在していたんですが、そのうち、実際活動していたのは2バンドで、残りの3バンドはボーカルが歌うだけなんです。
でもボーカルが歌うだけだと、カラオケみたいになりますよね。
すでに活動しているPoppin’Party、Roseliaは他人の曲を練習する暇もない。
男性がバックバンドをやるのはファンが見たくないわけですよ。
もともと思いついたのが去年の横浜アリーナ。
Raychell(レイチェル)さんが、参加していたバンドで非常に生き生きしていて、これに人を足して3つ目のバンドにしちゃおうって。
こうして生まれたのが3つ目のバンド、「THE THIRD(仮)」。
今は正規メンバーが5人揃って、RAISE A SUILENという正式名称に改めて活動しています。
中村:リアルに音楽を結び付けたということですね。
木谷:バンドリ!では、リアルとファンタジーをごちゃ混ぜにしちゃおうと思っていたので、だから声優さんとキャラクターもなんとなく似ていているんです。
今回も先に声優さんを決めました。他のコンテンツでは、そういう例はあんまりないんですよね。
音楽コンテンツにすごい可能性があるなって思ったのは、スマホがきっかけ
中村:そうですね。先ほどの費用の部分も大きく関係していると思います。
最初に可能性を感じたのはどういったことからでしょうか?
木谷:音楽コンテンツにすごい可能性があるなって思ったのは、スマホがきっかけです。
今はスマホでゲームができて、音楽が聞けて、アニメが見られる、課金ができる。
スマホはイベントともライブとも相性がいいと思いました。これはスマホを軸にコンテンツを考えないといけない。
アニメ業界で今何が一番大変なのか
アニメ業界で今何が一番大変かというと、良いアニメのスタジオの枠をとること。
せっかくアニメがヒットしたのに次のアニメが早くて2年後、遅くて3年後になってしまう。
ヒットしてから枠をとるとそうなってしまうんですよ。
これからはアニメをやるなら最初から当てるつもりでやらないといけない。
でも、音楽があれば、間をライブでつなげるんですよ。
合間合間にライブやイベントを行えば、ファンの熱を高いまま保つことができます。
さらに、ガルパにはデイリーアクティブユーザーがかなりの人数いるので、ゲームでも毎日音楽を聴いてもらえる。
日々ファンと繋がっていける。そういう意味では音楽コンテンツは、すごく展開がしやすいですよね。
中村:たしかにそうですよね。スタッフにとってもよさそうですね。
木谷:そうですね。そしてこれからは、スマートテレビ(インターネットをテレビにつないで見られる展開)ですよね。
もう少し操作性がよくなっていくと思うので、2020年に爆発的に増えていくと考えています。
来年の年末商戦、それから再来年の夏の商戦は、家電メーカと家電量販店が、家ででかいテレビでオリンピックを見ましょうという商戦がはじまるんですよ。
スマートテレビ、映像コンテンツの今後の展開
木谷:YouTube公式チャンネル「バンドリちゃんねる☆」で一番再生されている人気動画はフル尺のライブ映像なんですよね。
たぶんバックグラウンドミュージックとして使う人が出てくる。一時間くらいループで流したりとか。
そうなってくると勝手に広告が流れるので、企業はこれまでよりも動画で広告収入が得られるようになると思います。
中村:ヴァンガードの見せ方も配信が先行、すぐ後に地上波というように、変えられましたよね。
木谷:そうですね、スマートテレビの普及を見据えての展開です。
やっぱり、今は子どもほどYouTubeを見るんですよね。
決まった時間に動画を見るのは親だけです。
僕は少し前までシンガポールにいたんですが、20代の社員でテレビを見ている人はほとんどいません。
でもみんな昼間ネットで動画を見ているんです。アニメとかスポーツとか。
日曜の午前中シンガポールで地元のテレビ局がアニメを放送していたんですが、そこそこ視聴率はあるんですよ。
要するに、時間が決まっているというのは親にとって都合がいいんですよ。
日曜の朝だったら見ていいよ、それ以外はダメという風にしているんだと思います。
子ども向けと年寄り向けの番組は残ると思うんですけど、若い世代は強制されてみることはなくなっていくと思うんですよ。