予想外のことが起きるからこそ旅は楽しい!

――ちなみに旅の間は、予定やルートなど、どの程度「計画」を立てて行動していましたか。

浩史さん:ざっくりとした計画しか立てません。

完璧な計画を立てなくてもなんとかなるものです。現地に行って切り拓いていけばいいので。そもそも旅中はトラブルがつきものです。目的地に時間通りに到着しなかったり、夜遅い時間に宿探しで苦戦したりするのは日常茶飯事。

梨紗さん:むしろ、何が起きるかわからない状況や、予定不調和なことが起きたときのほうがワクワクします。寝る前に「今日はこんなことがあったなぁ」と振り返るのも楽しい時間だったり。

――なるほど。でもさすがに旅費については、ある程度計画を立てますよね。

梨紗さん:いろんな方の旅ブログを読むと、約200万円/年が相場でした。

少し幅を持たせても150〜250万円/年のコストに収まるだろうと、ざっくり予想したくらいでしょうか。でもよく考えると、東京で普通に暮らしていると、意外とお金を使っているんです。

浩史さん:たとえば家賃10万円の家に住んでいると、住居費だけで120万/年になります。それプラス80万円くらいは平気で使っているはず。海外を旅しているほうが、宿泊施設や食べ物の値段を抑えられるので、生活コストを調整しやすいと思います。

旅先でないと生まれない出会いがある

――ここからは旅中のお話をお聞きしていきます。忘れられない旅のエピソードを教えてください。

 

ヒンバ族
梨紗さん:数え切れないほどたくさんのエピソードがありますが、ナミビアにあるヒンバ族の村を訪れたときのことは、とくに強烈な思い出として残っています。彼らは裸族。

特にヒンバ族の女性には特徴があります。紫外線を防ぐために、赤土とバターを体に塗りたくる伝統があるんです。近代的なスーパーで裸のまま、チラシを見ながら買い物する光景は衝撃的でした。

浩史さん:どうしても彼らの村に行きたくなったのですが、水先案内人のガイドにはスーパーに行けば出会えるだろう、って。ドラクエの世界みたいですよね(笑)。そしたら本当に出会えて…。僕たちがヒンバ族の住む村に行きたいとガイドに伝えると、村長への貢物を買うようにと促され、バターなどいくつかの品を買って伺いました。

村に案内されてからは、村長を表敬訪問したところ、貢物を気に行って頂けたのか、泊まっていけと言われて驚きました。

ほかの旅行者のブログを見ても「泊まった」と書いている人は皆無だったので。その日は夜な夜なダンスパーティーが催され、ドブロクのようなビールを飲んだり、忘れられない夜になりました。