戦後80年の節目に制作した絵本『はじめてのナガサキ』を披露――離島の学びが世界の平和教育へ
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、2026年3月3日に対馬市立東部中学校、3月5日に壱岐市立石田中学校において、「世界とつながる学び」フィードバック講演会3R-Forum(Return, Reflect and Redesign)を開催しました。

石田中で講演するなかよし学園代表中村雄一
今回の講演会では、両校の生徒が制作に参加した平和絵本『はじめてのナガサキ』の完成報告を行うとともに、自分たちの学びや表現が、国内にとどまらず海外の平和教育の現場にもつながり始めていることを共有しました。生徒たちは、自らの学びが「教室の中で完結するもの」ではなく、世界の誰かの理解や希望につながることを実感し、次年度に向けた新たな行動への意欲を高めました。
広島から長崎へ――「PEACE BATTON」プロジェクトの新たな挑戦
なかよし学園ではこれまで、絵本『はじめてのヒロシマ』を活用した「PEACE BATTON」プロジェクトを全国で展開してきました。壱岐市立石田中学校の生徒たちは、この取り組みの中で広島の原爆の歴史と、その後の平和構築の歩みを学び、世界に向けて発信してきました。

世界中で平和教育活動に活用されている「はじめてのヒロシマ」
その活動を進める中で、戦後80年の節目となる2025年に、長崎の原爆の歴史を子どもたちに伝える同様の絵本が十分に存在していないことが明らかになりました。そこでなかよし学園は、長崎の離島地域である対馬と壱岐の子どもたちと共に、新たな平和絵本『はじめてのナガサキ』を制作するプロジェクトを始動。対馬からは東部中学校、壱岐からは石田中学校が参加しました。

対馬と壱岐島でつくった「はじめてのナガサキ」
GCC Lab講演会から始まった「今、できること」
2025年9月、なかよし学園のGCCラボ(Global Context & Communication Lab)講演会に参加した生徒たちは、世界の現状を知り、「今、できること」で世界を応援することをなかよし学園と約束しました。その実践のひとつとして参加したのが、『はじめてのナガサキ』プロジェクトです。
絵本の文章は、なかよし学園が作成し、長崎原爆資料館に事実誤認がないか確認を取りながら整えました。両校の生徒たちは、それぞれの場面に合わせてイラストを制作。なかよし学園は、それらの作品をAIも活用しながらテイストや構図を丁寧に統合し、一冊の絵本として完成させました。
こうして生まれた『はじめてのナガサキ』は、子どもたち自身の表現と、地域の歴史、そして世界へ届ける平和教育をつなぐ新しい教材となりました。

石田中生徒によるイラスト
石田中生徒によるイラスト
東部中生徒によるイラスト
東部中生徒によるイラスト

完成した絵本ページ
完成した絵本ページ
完成した絵本ページ
完成した絵本ページ
完成した『はじめてのナガサキ』を披露――すでに海外でも平和教育に活用
3月3日の東部中学校、3月5日の石田中学校での講演会では、完成した『はじめてのナガサキ』を披露しました。講演の中でなかよし学園は、この絵本が今後、全国の生徒たちによって多言語に翻訳されていく予定であることを伝えました。
さらに、2025年末に実施したカンボジア難民支援プロジェクトでは、すでに『はじめてのナガサキ』のクメール語版が平和教育教材として活用されたことも報告されました。生徒たちは、自分たちが関わった学びが実際に海を越え、別の国の子どもたちの学びにつながっていることを知り、大きな喜びと誇りを感じていました。

カンボジアの地雷博物館に寄贈されたクメール語版「はじめてのナガサキ」

壱岐石田中で行われた講演会
対馬東部中で行われた講演会
対馬東部中学校――地域と世界をつなぐ「東中ふるさとフォーラム」へ
東部中学校では、年度の学習成果を発表する学習発表会の中で、なかよし学園が生徒たちの世界での活躍を紹介する講演を実施しました。講演後には地域の方々も集う「東中ふるさとフォーラム」が開催され、生徒たちの学びを学校内にとどめず、地域社会と共有する機会となりました。
なかよし学園代表の中村雄一は、この場で対馬のまちづくりにも関わりながら、「世界とつながる学び」をさらに発展させ、対馬の魅力を世界へ発信していく方針を表明しました。平和学習と地域づくりを接続するこの試みは、離島における教育実践の新しい可能性を示すものです。

東部中の学習発表会の展示
対馬東部中が世界で作った「平和」を講演
壱岐市立石田中学校――「なかよしリンクカード」で4月からの実践へ
石田中学校では、講演後に中学1年生とともに「なかよしリンクカード」を制作しました。神経衰弱の要素を取り入れたこの教材は、日本と世界のつながりを身近に感じながら学ぶことができるものです。
生徒たちはこの活動を通して、自分たちの学びが世界の学びにも貢献できることを再確認し、4月からの新年度には、さらに具体的な取り組みをスタートさせていくことを約束しました。平和を「願う」だけではなく、「つながりをつくる行動」として実践していく姿勢が育まれています。

生徒全員でなかよしリンクカード(神経衰弱)を作成
なかよしリンクカードで実際にデモプレイを行った
筒城小学校から石田中学校へ――小中連携で育む「世界とつながる学び」
また、壱岐市立筒城小学校でも講演を行い、『はじめてのヒロシマ』を翻訳した児童たちの活動が、海を越えて世界の平和づくりにつながっていることを報告しました。筒城小学校の児童たちは、2024年度なかよし学園とともに「なかよしふりかけ」の制作にも参加し、ステッカーや手紙などに思いを込めて、南スーダンをはじめ食糧支援を必要とする地域へ届ける活動にも取り組んできました。
こうした学びは、その場限りの体験では終わりません。筒城小学校を卒業した児童は石田中学校へ進学し、石田中学校1年生の中には、昨年度に筒城小学校で「世界とつながる学び」に参加していた生徒もいます。小学校で芽生えた「誰かのために行動したい」という思いが、中学校での平和学習や国際理解の実践へとつながり、学びが次のステージへと発展していることは、本プロジェクトの大きな特長です。
なかよし学園では、このような小中連携を通じて、子どもたちの成長段階に応じたサステイナブルな教育活動を展開しています。地域の中で育まれたやさしさや行動力を、学年や学校を越えて次につなぎ、世界と関わる力へと育てていく――その循環型の学びが、対馬・壱岐の現場で着実に形になっています。

南スーダンに届いた「なかよしふりかけ」
筒城小学校で行われた講演会
教員コメント対馬市立東部中学校 竹末寿百 教諭
「『国際支援』『人道支援』なんて、遠い世界の話で、自分たちにできることが今ひとつ実感として捉えにくかったところに、助力が得られたことに誠に感謝です。教師にとっても、生徒にとっても、世界平和や人権擁護の具体的方策や、自分たちにもできることが分かり、実践・行動の意欲が高まりました!」
壱岐市立石田中学校 荒木教諭
「なかなか普段聞けない貴重なお話をきくことができ、生徒もとても勉強になったと思います。日本と海外をつなぐ架け橋になっていただき、国際交流を身近に感じることができました。自分には何もできないと思ってしまいがちですが、こうして自分たちも実際に活動をし、それを現地に届けてくださることで自分たちにもできることがあるんだと考えさせられたし、貢献できているということは確実に生徒も得るものが大きく有り難いです。また、生徒もとても楽しそうに取り組んでいました。貴重な経験をさせていただきありがとうございます。」
壱岐市立 石田中学校 竹尾教諭
「それぞれが1ページずつ担当し、どんな絵がよいかを一人一人が一生懸命に考えていました。タブレット端末を使い、調べたことを自分なりにアレンジして仕上げました。絵が得意な生徒もいれば不得意な生徒もいますが、それぞれの思いを込めた作品になったと思います。世界がつながる経験は子どもたちの視野を広げ、今後の成長にもつながると感じました。」
壱岐市立石田中学校 安原美智子 校長
「石田中学校では、9月に中村先生から『“願う”平和から“行動する”平和へ ~戦後80年、今わたしたちにできること~』と題し、全校生徒に講話をしていただきました。中村先生は、講話の中で、7月に生徒会が中心となり、ボランティアを募って『はじめてのヒロシマ』という絵本を英訳したこと、その絵本を8月にルワンダに届けたことを話してくださいました。
中村先生が絵本を届ける様子を写真や動画で見たり、ルワンダの子どもたちからの手紙をいただいたりして、生徒たちは自分たちの取組が世界とつながることを実感しました。
3月には、今年度2回目の講話をしていただきました。この取組をとおして、生徒たちは、原爆の恐ろしさや悲惨さを世界の人たちに伝え、平和な世界をつくるために自分たちにできることを学んだと思います。
また、講話の中では、生徒たちが近くの人とディスカッションをしながら、『あなたはHEROを見たことがありますか』『自分が本当に辛い時、どうやって希望を持ちますか』『これからの人生で喜ばせたい、笑顔にしたい人はどんな人ですか』といった問いに向き合いました。『どの答え(考え)も正解です。』『誰かが喜べば正解です。』『僕は世界中の80億人の人に笑顔になってほしい。』という言葉が、生徒たちに希望と勇気を与えてくれました。新しいHEROたちの誕生を期待しています。」
生徒の声(対馬東部中学校)
・みんなの絵で本が完成していて良かった。
・戦争が起きてるけど頑張って生き延びている人たちを見て、再び生きることは大切だと思った。いじめや悪口などは、絶対にやめようと思った。
・僕たちが作ったものを喜んでくれて嬉しい。
学びが「戻り」、振り返り、次をつくる3R-Forumへ
今回の3R-Forumは、生徒たちが制作に参加した教材が完成し、その成果が自分たちのもとへ「戻ってくる」Returnの場であり、その意義を見つめ直すReflectの場であり、次の学びを構想するRedesignの場でもありました。
対馬と壱岐という長崎の離島で育まれた学びは、平和をただ記憶するだけでなく、自分たちの表現や行動を通して未来へ手渡していく実践へと発展しています。なかよし学園は今後も、地域の子どもたちの学びを世界につなぎ、世界からの応答を再び地域へ還元する循環型の教育実践を進めてまいります。

なかよし学園の「世界とつながる学び」CoRe Loopモデル
中村雄一代表メッセージ
戦後80年という節目の年に、長崎の離島である対馬・壱岐の子どもたちと共に『はじめてのナガサキ』を形にできたことを、大変意義深く感じています。
平和は、ただ願うだけではなく、自分の手で学び、自分の言葉で伝え、自分の地域から行動していくことで、次の世代へ受け継がれていくものです。
今回、東部中学校と石田中学校の生徒たちは、長崎の歴史を学び、それぞれの感性で絵を描き、その表現を通じて世界とつながりました。自分たちが作ったものが、海を越えて誰かの学びや希望につながっている。その実感こそが、「世界とつながる学び」の大きな価値だと考えています。
3R-Forumは、活動をやって終わりにするのではなく、世界からの応答を受け取り、振り返り、次の行動へつなげる場です。今回の講演会を通じて、子どもたちが「自分にもできることがある」と感じ、 身近な誰かを笑顔にすることから平和をつくっていこうとする姿に、私たちも大きな希望をいただきました。
なかよし学園はこれからも、地域の学びを世界へ、そして世界からの学びを地域へと循環させながら、子どもたちが自ら未来をつくる教育を広げてまいります。

今年も国際連合ACUNSでの登壇が内定したなかよし学園中村雄一代表
団体概要
団体名:特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
事業内容:世界とつながる学び(CoRe Loop)を軸とした探究・平和・包摂教育プログラムの企画運営/国内外の教育・食・心のケア支援 等
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局)
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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