
日本ライフセービング協会(JLA)は、「JLAグランドデザイン2061」および「アクションプラン2031」に掲げる「アジアパシフィックの一員として近隣諸国との連携推進」の具現化として、特別委員会「アジア太平洋ウォーターセーフティプロジェクト委員会」を設置。本プロジェクトは、日本国内の活動を主たる対象としているモナコ公国シャルレーヌ公妃財団の助成を受け、パイロットとして取り組み、ミクロネシア連邦におけるウォーターセーフティ事業を遂行しました。
この度、現地ポンペイ州への派遣が実現し、タイトなスケジュールの中で大きな成果を収めましたのでご報告いたします。
■ 背景:ミクロネシア連邦における溺水による死亡者数は、10万人あたり15.2人と、世界でも最も高い水準での溺水事故率という厳しい現状
WHOの2024年レポートによると、ミクロネシア連邦の溺水による死亡者数は10万人あたり15.2人(世界第2位)と極めて深刻です。西太平洋地域では5~14歳の死因1位が溺水であり、海や川だけでなく、生活用水を貯める「水タンク」での事故も発生しています。この現状を打破するため、JLAは現地の生活様式に合わせた安全教育を届けました。
■ 主な活動内容:5つの教育機関、約220名への指導
滞在4日間という限られた時間の中で、小学校3校、大学、スイミングクラブを訪問し、計5回の講習会を実施しました。
初等教育(小学校3校):
約180名の児童を対象に、ライフセーバーの役割や「浮き身」、道具を使った「ドライレスキュー(Talk/Reach/Throw)」、CPR(心肺蘇生法)を指導。世界共通の「赤と黄」のユニフォームは子どもたちにも認識されており、非常に積極的な姿勢で講習に臨んでくれました。

高等教育(ミクロネシア連邦大学):
海洋学・社会学専攻の学生約30名とディスカッションを実施。「溺れている人を見ても飛び込まない」ことの重要性を説き、万が一飛び込む際にも浮力体を携行する重要性を伝えました。

専門指導(ミクロネシアスイミングクラブ):
12~18歳のトップスイマーに対し、より専門的な「ライフガーディング」の講習を実施。入水・立ち泳ぎ・潜水から、レスキューチューブを用いた救助、クロスチェスト等の搬送まで幅広く体験。講習後にはレスキューチューブとライフジャケットを寄贈し、「ミクロネシア連邦初のライフガード」誕生への期待を託しました。


■ 多角的な調査と連携の強化
講習会と並行し、厚生省、消防署、赤十字(MRCS)、JICAミクロネシア連邦支所など、現地の重要機関を訪問。溺水事故の現状ヒアリングや、救急体制の視察、今後のサポート体制についてのアドバイスをいただきました。
また現地では、古くから用いられてきた「ココナッツ」を浮力体として自ら体験する機会を得て、その実用性の高さを身をもって実感しました。こうした知恵は、「セルフレスキュー」の観点からも非常に有用であり、ココナッツを浮力として活用する方法を知らない若い世代へ、ぜひ伝えていきたいと考えました。

■ 今後の展望
今回の派遣により、現地の安全意識の高まりを肌で感じるとともに、継続的な支援の必要性を再確認いたしました。ジョン・フリッツ駐日ミクロネシア連邦大使をはじめ、多くの方々のご協力により達成されたこの成果を礎に、JLAは今後もアジア太平洋地域の「水の事故ゼロ」を目指し、ライフセービング文化の普及に邁進してまいります。

公益財団法人日本ライフセービング協会
海岸やプールをはじめとする全国の水辺の環境保全、安全指導、監視・救助等を行うライフセービングの普及および発展に関する事業を行い、国民の安全かつ快適な水辺の利用に寄与することを目的としている団体です。
https://jla-lifesaving.or.jp/
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