街での暮らしには少しオーバーとも思える機能性やディティールを、ファッションとして身にまとうことのできる「テックウェア」。

近未来を日常の装いに落とし込むワクワク感が好きで、日ごろからテックウェアを着ることが多いんです(そんなテック好きが高じて、ROOMIEオリジナルの「Migaru TECH-BAG」という機能性を追求した巾着バッグを自ら企画してしまったほど)。

そんな私の感性を刺激したのが、ロンドン発のテクノロジーブランド「Nothing」。内部のパーツが見えるシースルーデザイン&メカニカルなルックスに惹かれ、初代のワイヤレスイヤホン「Nothing Ear(1)」を発売当時に即購入。以来、耳元を飾るアクセサリーとしても、長らく愛用しています。

そんな私に、ガジェット好きの編集部員から「テックウェア好きならきっと気に入るはず」と、Nothingの新製品発表会への誘いがあり、さっそく取材に行ってきました!

Nothingの歴代アイテムがずらりと!

発表会の会場となった天王洲の「WHAT CAFE」に足を踏み入れると、Nothingの歴代プロダクトがずらりと並ぶ圧巻の光景が目に入ってきました。

ずっと気になっていたヘッドホンは試聴もOKで、聴いてみると中高音域のクリアさに驚き! 首からかけても目立つアクセントになって、すっかり欲しいものリストの仲間入りです。

会場の一番目立つエリアに置かれていたのは、これまでじっくりと触れる機会のなかった歴代のNothing Phoneシリーズ。

ワイヤレスイヤホンは数台所持するくらい好きなプロダクトですが、Nothingが展開するスマートフォンに関してはあまり関心を持てずにいました。

自分のなかには「スマホ=生活のインフラ」という認識があり、普段使っているスマホに搭載されている連携機能などを考えると、いくらデザインに惹かれても、それが切り替えるための一歩にはならなかったといいますか……。

といいつつ……

実際に触ってみるとこれがイイんです……!

基板やネジといった、本来なら隠されるべき工業的なユニットを美しく透かして見せるスケルトンボディ。

そこに規則的なミニLEDの配列やドットディスプレイなどがミックスされたデザインは、自分が好むテックウェアの複雑なカッティングやパーツ使いに通ずるものがあって、手に持っているだけでテンションが上がります!

「Nothing Phone(2a)Community Edition」と「ASICS×INVINCIBLE®コラボモデル」

製品の存在感からして、Nothingらしいデザインを楽しむならスマホが一番かも? とさえ思えてきます。このコーディネートともマッチしている気がして、ただの生活インフラに留まらない、プロダクトとしての魅力を感じました。

日本の電子機器とNothing Designの意外な関係性

正直な話、ガジェットにそこまで強烈な熱意を持っているわけではありません。それでもNothing Phoneを手にしていると、このデザインの源流にどんな思想が流れているのかが気になってくるものです。

そこで、会場を回っていたNothingのマネージングディレクターの黒住吉郎氏に、ブランドが大切にしているデザインについてのお話を伺ってみることにしました。

-Nothingの製品には、ほかのガジェットにはないオルタナティブな魅力を感じています。製品のデザインには、他のプロダクトやファッション、あるいは建築などからの影響はありますか?

黒住氏:もちろんありますよ。我々は、いろいろなモノや建築からインスピレーションを受けています。Nothingは創業5年を迎えますが、創業する前からすでに「デザインブック」と「デザインロードマップ」を作っていたんです。そこにはソニーのウォークマンや、任天堂のプロダクトなど、かつて日本が生み出してきた素晴らしいガジェットが数多く記されています。

Nothingにとって、日本が培ってきたデザイン文化は非常に大きなルーツのひとつなんです。面白いところで例をあげれば、「Phone(2a)」背面の曲線のようなライン、あれは日本の「書(カリグラフィー)」からインスピレーションを受けていたりするんですよ

ーファッションカルチャーとの関わりはいかがでしょう。Nothingはアパレルも展開されています

黒住氏:ファッションもインスピレーションの一つですし、映画、音楽、あらゆるカルチャーの中から影響を得ています。新たにチャーリー・スミス(ロエベの元マーケティング・コミュニケーション責任者)がブランドディレクターとして入ったのも、我々が彼に強く魅力を感じたからですね

ーファッションには流行の周期があると言われていますが、スマホのデザインの流行や変化について、どのように考えていますか?

黒住氏:デザインは「思いを形にするもの」であって、「形そのもの」ではないと思っています。 我々としては「思い・考え方」は変えないけれど、デザインの表現(アウトプット)を変えることは、我々が大事にするフィロソフィーの一つです。 例えばサブブランドの「CMF」や、今回発表する新製品でメタルの質感を前に出したりしているのも、将来に向けた進化、変化の一つだと受け止めています

Nothingのデザイン哲学のつまった新作がついに登場

Nothingのデザインに流れる哲学をすこし紐解いたところで、今回発表された「Nothing Phone(4a)」と、その上位モデルである「Nothing Phone(4a)Pro」に目を向けてみます。

ホワイト、ブラック、ブルー、ピンク(国内限定)の4色で展開されるミドルクラスの(4a)は、Nothingらしいシースルーデザインを採用。

「これまでは基板やネジといった内部パーツを強調してきたが、(4a)ではバッテリーが組み込まれた部分を強調させるなど、“構造的なモノ”をより表に出すというメタファーに変わっている」と黒住氏。

ガジェット好きの編集部員にスペック面について聞いてみたところ、「日常使いをする上で不足を感じることはまずない」とのこと。動作のキビキビ感もカメラの写りもストレスなく使えるのは、外せないポイントですからね。

■「Nothing Phone(4a)」基本スペック
・ディスプレイ: 約6.77インチ、1.5K有機EL(最大120Hz可変リフレッシュレート)
・チップセット: Snapdragon 7s Gen 4
・カメラ: 光学手ブレ補正つきメイン(5000万画素)+ペリスコープ望遠(5000万画素、光学3.5倍・最大70倍ズーム)+超広角(800万画素)

気になる価格は、RAM8GB+ストレージ128GBが58,800円、RAM8GB+ストレージ256GBが64,800円(どちらも税込・オフィシャルサイトでの表示価格)。

ちなみに国内限定発売のピンクは、特別に桜を意識して作ったわけではなく、結果として日本の今の季節にマッチしたかたちになったのだそう。

メタルの質感でより洗練された印象の「Nothing Phone(4a)Pro」

ミドルハイクラスの「Nothing Phone(4a)Pro」もお目見えして、会場のガジェット好きたちの注目を集めていました。

こちらはシルバー、ブラック、ピンクの3色展開ですが、最大の特徴はアルミユニボディを採用していること。握ったときに伝わる“ひんやりしたメタルの質感”は、安っぽさゼロの重厚感を感じられます。

■「Nothing Phone(4a)Pro」基本スペック
・ディスプレイ: 約6.83インチ、1.5K有機EL(最大144Hz可変リフレッシュレート)
・チップセット: Snapdragon 7 Gen 4
・メモリ・ストレージ: 12GB/256GB
・カメラ性能: ソニー製センサー搭載メインカメラ(5000万画素)+ペリスコープ望遠カメラ(5000万画素、最大140倍ズーム)+超広角カメラ(800万画素)

こちらのオフィシャルサイトでの表示価格は、RAM12GB+ストレージ256GBで79,800円(税込)となっています。

自分だけのミニアプリで自由にカスタマイズ

両モデルの情報と合わせて発表されたのが、「Essentialアプリ」というAIを活用した新機能。

簡単なプロンプト(指示語)を入力するだけで、自分専用のミニアプリ(ウィジェット)をノーコードで作成し、できたものをプラットフォーム(Playground)で共有することもできるのだとか。

「飛んでる花粉の情報を教えて」「音楽再生アプリをドットのロゴで作って」なんて、その時に欲しくなったアプリを、AIの力を借りて直感的に形にできる未来が訪れたんですね……。

5万円台で、機能だけでなく歴史的背景も楽しめるスゴさ

前述してきたとおり、スマホとして不足を感じないスペックでありながら、Nothing独自の機能などもあり、利便性に関しては申し分ないNothing Phone(4a)シリーズ。

しかし私がNothing Phoneを初めて触れて感じた、本当のスゴさは他にあります。

それは、Nothingのデザインに宿る“歴史”や“Nothingらしさ”も楽しめてしまうということ。

価格関係なく、人とは違う個性を出せ、ファッションのような唯一無二の楽しみ方ができるスマホが他にあるでしょうか。

そんなスマートフォンが5万円台から買えてしまうという事実にも驚愕です。

イヤホンだけではもったいなかった!

今回のイベントに出向いて後悔させられたのは、私とNothingとの関係をワイヤレスイヤホンという細い繋がりだけで終始させていたことでした。

ブランドの“らしさ”がより濃密に凝縮されたスマホを手に取った今、これは単なる生活インフラではなく、毎日身に纏いたくなる、極めてファッション的なガジェットなのだと強く感じています。

正直に言えば、すっかり(4a)が欲しくなっている自分がいます。だって、手にした時に感じたワクワクは、お気に入りの服に袖を通す瞬間のそれと変わりなかったのですから!

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