食生活に浸透するGMO、子どもにどう教えるべき?

――GMOのことを、子どもにどう伝えていくのが良い方法だと思われますか?

「『スターウォーズ』を観て、GMOっていうのはダースベイダーみたいなもんだよって伝える(笑)。…うーん。たしかに難しいよね。
まず、有機農園に行き、中を連れて歩きながら野菜をもぎ取って食べさせる。それから単一栽培の大きな畑に連れていく。でも中に入ることはできない。農薬や除草剤を使っているからね。2つの場所に連れて行くことが、その違いを理解させる手助けになるかもしれない。(息子の)フィンは理解してたね、GMOのいろんな複雑なことはわからなくても」

――子どもたちと一緒に、防護服を着て巨大なトウモロシ畑に突入するシーンが印象に残っています(笑)。人が食べるものを作っているのに、非常に危険な場所になっているわけですよね。

「大人だって、目に見えないものの危険性を認識するのは難しいよね。…例えば携帯電話は20年も経ったら人体に影響が出てくるかもしれないって言われてるし、魚に蓄積される水銀とかもそうだけど…。
人間って、緊急性のある危険にはすぐ対応できるけど、長い時間をかけてじわじわ出てくる影響を理解するのは難しい。だって、GMO入りハンバーガーはとってもおいしいからね(笑)。でも、おいしいキャンディも、たくさん食べると虫歯ができる」

「GMO」とどう向き合って行けばいい?

――監督とご家族は、日々「GMO」とどのように向き合っているんですか?

「いつもこうして、大きな剣や銃をかまえてね(と監督、戦闘態勢に)…いや、それは冗談だけど(笑)、食料品はだいたい妻が買ってる」

ジェンさん:
「できるだけGMOは避けるようにしています。オーガニックでないトウモロコシや大豆は、まず買いません(※)。地元で生産されている新鮮な野菜や、“オーガニック”と書いてあるものを選ぶようにして…高価なので継続的には難しいのですが…あとは、なるべく家で料理をするように、外食しないように心がけてます」

(※アメリカで栽培されるトウモロコシや大豆の約90%はGMO。そのためGMOを避けるには“オーガニック”と表示されているものを選ぶ以外に選択肢がない)

「(監督、つぶやくように)僕らには友達もいないし、ほかに家族もいないから…」

――(笑)。でも、外食やパーティなどで、GMOを食べなければいけない場面もありますよね?

「(床から両手で何かを持ち上げるようにしながら)『ごめん。食べ物はいらないよ。僕らの分は家から持ってきたんだ』ってね。さすがにそうやって、大袈裟に騒ぎたてたりはしないな(笑)。 
例えばベジタリアンとかは、『ああ、ベジタリアンだから食べないのか』とだいぶ理解されるようにはなったけど、『GMOは避けてます』なんて言ったら、みんなに頭がおかしいと思われるよね? ヘンな目で見られる。
だから家の中と外で、コントロールしてる。家ではGMOは徹底的に食べない。でも外では妥協する。だけどその度にいつも『うう…つらい』ってなるんだけどね。(苦々しい表情で)…あ~、ほんとにイヤだ(笑)」