最近、「カラダによい」という油の話をよく耳にするようになりました。同じように、脳によい油と悪い油があるというのをご存知でしょうか?

「魚を食べればいい」
「オリーブオイルや菜種油は体によさそう」
「動物性の脂肪はよくない」

いろいろな情報で溢れていますが、「植物油は体に良い」…そう思い込んでいる方は要注意。ここで一度、油についての情報を整理したほうがいいかもしれません!
 

人間のカラダは「油」でできている!?

「油はカロリーが高いし体に悪そうだから、できるだけ控えよう」という方もおられると思います。でも、油をまったく摂らないと健康なカラダを維持できません。美容にもよくありません。

なぜ油が、カラダにとって必要なのかというと…
簡単にいうと、人間の体は細胞の集まりで、細胞は「油」でできているからです。

人間の体は、“約100兆個の細胞”の集合体。気が遠くなりますよね。

一つひとつの細胞の膜は、主に「脂質」でできています。そして細胞は、細胞内に酸素や栄養を取り込んだり、老廃物を排出したり、有害物質から守ったりと大忙し。「油」を補給しないと細胞の膜が硬くなって、イキイキと活動できません。油が不足すると肌がカッサカサ、便秘の原因にもなります。

そして「脳」の成分はというと、約60%が「油」。
365日休むことなくフル稼働している脳ですが、その半分以上は脂肪分でできているのです。

そこで問題になってくるのが、食べる油の“質”。
当然ながら、よい油は全身の細胞や脳を健やかに保ち、悪い油は体にさまざまな異変を引き起こします。

油の質が、育ちざかりの子どもの脳にも悪影響をおよぼしかねません。
 

理想のバランスは「1:4」

私たちが必ず摂取するべき「脂質」には2種類あります。体の中で作り出せないので、食べることで補わないといけません。

その1つが「オメガ3系脂肪酸」のαリノレン酸とEPA。(DHAもこちらの仲間)
もう1つが「オメガ6系脂肪酸」のリノール酸とアラキドン酸。

αリノレン酸は、しそ油、えごま油、亜麻仁油などに多く含まれ、じわじわと注目度が上がっていますよね。EPA・DHAはイワシやサバなど青背の魚(銀色の魚)に多い成分で、脳を活性化させると言われています。

「オメガ3系脂肪酸」は細胞膜を柔らかく保つため、積極的に摂ったほうがベター。魚の脂肪分は“多い方がよい”そうです。脂ののった魚がいいんですね。(※ただし、魚はダイオキシンや水銀による汚染の問題もあるので、妊婦さんや乳幼児は過剰な摂取を控えたほうがよいとも言われています)

リノール酸は、大豆油、コーン油、紅花油、ごま油、菜種油など、いわゆる“植物油”に多く含まれています。アラキドン酸は肉類を食べることで摂取できます。「オメガ6系脂肪酸」はカラダに必要ではありますが、細胞を硬くする性質があり、摂り過ぎは禁物。

これら2種類の油をバランスよく食べることで細胞がしなやかに、丈夫に維持できるそうです。比率でいうと、オメガ3系脂肪酸:オメガ6系脂肪酸=1:4のバランスが理想的とも。

この“バランスよく”というのが肝。現代人は「オメガ6系脂肪酸を多く摂りがち」と言われているのです。