美味しいアレに注意!? オメガ6系油を減らそう
コロッケ。天ぷら。フライドポテト。パン。ケーキ。ドーナツ。クッキー。ホイップクリーム。マヨネーズ。街を歩けば気軽に食べられるこれらの食品、今日食べませんでしたか?
オメガ6系の油は、外食メニューや調理済み食品、加工食品、お菓子などにたくさん含まれているので、気がつけば体の中に入っていきます。ですが、食べすぎると細胞にとっては望ましくありません。
細胞膜のバランスが崩れて硬くなり、肌の乾燥やアトピー性皮膚炎、花粉症の原因に。ついには血液ドロドロ、ガンや認知症などさまざまな病気の原因になることも…。ちょっと怖い話ですが、オメガ6系油の摂り過ぎは、美容や健康の大敵なのです。
「油」は新鮮&非加熱がベスト!
油はバランスが大事。そしてもうひとつ、注意したいのが「油の摂取の仕方」です。
どんな油も、液体状の油は「酸化しやすい」ところが最大の弱点。空気や紫外線に触れたり、加熱したりすることでどんどん酸化してしまいます。よい油も、酸化してしまえば毒物に。
「酸化した高価な油より、安い新鮮な油のほうがマシ」とも言われます。
油は「新鮮」なうちに、「加熱せず生食する」のがべストです。
亜麻仁油やしそ油のパッケージを見ると、「酸化しやすいので、加熱料理には使わないでください」とあります。さらに「開封後は冷蔵庫で保管」して「6週間を目安にお使いください」などと書いてあります。そうしないと、良質な油のメリットが得られないからです。
『ココナッツオイル健康法』の著者ブルース・ファイフ氏も、「すべての植物油は、密閉した不透明な容器に入れて冷蔵庫で保管すべき」で、「これまでそうやって保管していなかった油がある人は、今すぐ捨てたほうがいい。それで無駄になるわずかなお金よりも、あなたの健康の方が大事だ」と書いています。
日本の大手食用油メーカーでも、酸化を防ぐ製法を取り入れたり、酸化安定性を高めた油を使ったり、「いかに酸化を抑えた油にするか」に注力しています。
以前、キユーピーの「マヨテラス」にてマヨネーズの製法を伺った際、興味深かったのが、できるだけ酸素に触れないよう“特殊構造の容器”を使ったり、容器に詰める瞬間に“窒素を充填して酸素を追い出す”など、極力酸化を防ぐ工夫をしていることでした。
そしてやはり、封を開けたら「1か月くらいで使い切ってください」とおっしゃっていました。
どんな油も新鮮さが命。
お得だからと大容量タイプを選びたくなりますが、早めに使い切れる「少量タイプ」や「小分けタイプ」を選ぶ方が、体にとってはよさそうです。
「酸化油」は脳にも悪い!
老化の原因となる「活性酸素」。
呼吸したり食べ物を消化したり、つまりは普通に生きているだけで、どんどん作られていることはご存知かと思います。
じつは「脳」は、体の中でもこの活性酸素が発生しやすく、酸化ストレスを受けやすいといいます。体重のわずか2%でしかない脳ですが、全体の20%以上もの酸素を消費します。多くのエネルギーを必要とするため酸素を大量に使い、そのため酸化しようとする力が大きく働き、老化しやすいのです。
そして、特に大きな影響を受けるのが「海馬」。“記憶”をつかさどる大事な部分です。
海馬の神経細胞は脳内で唯一、歳をとっても新しい細胞を作り続けることができると言われ、それゆえ頭を使えば使うほど大きくなり、記憶力がよくなると言われています。この海馬の性能の違いで「十を聞けば十を覚える」、あるいは「十を聞いても一しか覚えられない」という違いが現われます。
海馬が酸化ストレスを受け続けると新しい細胞が作られなくなり、記憶力が悪くなっていきます。「最近どうも物忘れが…」なんて方はご注意を。ただでさえ、酸素を多く使いがちな脳なのですから、脳本来の働きを保つためには酸化油はご法度。細胞膜はどんどん新しく生まれ変わるので、よい油をよいバランスで取り入れていきたいものです。
さて、油は「新鮮」なうちに「加熱せずに使う」のがよい、と書きました。しかし、じつは油の中には「すでに製造段階で酸化が起こっている」ものが多くあります。それに、「揚げ物や油を加熱したいときはどうすればいいのか?」という疑問もあるかと…。
油の選び方や、それぞれの油の性質についての話は、また別の機会に。
<参考>
『そのサラダ油が脳と体を壊してる』山嶋哲盛/ダイナミックセラーズ出版
『本当は危ない植物油』奥山治美/角川書店
『ココナッツオイル健康法』ブルース・ファイフ/WAVE出版
『頭がよくなるレシピ』東大料理愛好会/データハウス