美容や健康にいいオイルとして、巷でじわじわ話題になっている「ココナッツオイル」。

健康食品店に置かれていたり、美容製品に使われたりと、最近、目にする機会がますます多くなっていますが、このココナッツオイルとは、どのようなものなのでしょうか? 
 

古くから使われてきた"生命の木"ココナッツ

ココナッツは、太平洋の島々をはじめ、アジアやアフリカ、中南米などの熱帯地方に自生し、栽培もされているココヤシの実(いわゆるヤシの実)。

何千年も前からその土地に暮らす人びとの主食に利用され、調味料や油、飲み物としても、また病気や傷を癒す薬としても使われてきました。

ココナッツを中心とした伝統的な食生活を営む人びとは、概して健康的で美しく引き締まり、心臓病やガン、糖尿病など、いわゆる生活習慣病の類にかかる人は見受けられないとか。

ココナッツはまさに「生命の木」と呼ばれるにふさわしく、熱帯に暮らす人びとの健康の維持に重要な役割を果たしてきたのです。

そのココナッツの果肉から抽出されるオイルが「ココナッツオイル」。

実際、数々の医学的な研究結果から、このオイルには心血管系の病気や認知症の予防、ウイルスや細菌の抑制など、さまざまな健康効果があることが明らかになっているそうです。

それは、ココナッツオイルの90%以上が飽和脂肪酸であり、その多くが「中鎖脂肪酸」という脂肪酸で構成されていることと深い関わりがあります。ここでは、そんなココナッツオイルの、女性に嬉しいポイントを見ていくことにしましょう。 
 

健康&美容効果は抜群! 体に嬉しい4つのポイント

●体脂肪にはならず、エネルギーになる。

ココナッツオイルの60%以上は「中鎖脂肪酸」でできています。

普通、脂肪は体内に貯蔵され、エネルギーとして使われない分が体脂肪になっていきますが、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、食べても脂肪として蓄積されることがなく、分解されてエネルギーに変換されます。

他の脂質と比べてカロリーそのものも低く、血中コレステロールや血糖値を上げる、といった作用も起こらないそうです。

 

●代謝を上げ、免疫力を高める。

ココナッツオイルの中鎖脂肪酸は体内に吸収されやすく、代謝作用を高めてより多くのカロリーを燃焼させるほか、一般的な食用油に多く含まれる長鎖脂肪酸の燃焼を助ける働きもあるそうです。

細胞の機能が活発になり、新しい細胞への生まれ変わりを促すため、美容効果も期待できます。また、ココナッツオイルに含まれるラウリン酸は、ヒトの母乳の成分のひとつでもあり、免疫系の機能を支え、感染症などから守る働きがあると言われています。

●カラダに必要な栄養素の吸収を助ける。

ビタミンA・D・Eなどの脂溶性ビタミンを体内に吸収するためには、食生活における脂質の摂取が不可欠です。また、体内で作り出すことができない必須脂肪酸(オメガ6脂肪酸[リノール酸]・オメガ3脂肪酸[αリノレン酸])は、食べ物から補う必要があります。

中鎖脂肪酸には、これらのビタミンや必須脂肪酸のほか、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの吸収を高める効果があることがわかっています。

●酸化しにくい。

油は、熱によって酸化が早まり、その過程でフリーラジカルを生成します。不安定な状態の分子であるフリーラジカルは、他の分子を攻撃して電子を奪い、連鎖的に細胞を傷つけていくため、多くの病気や老化の一因とされています。

ココナッツオイルは、食用油の中で最も飽和脂肪酸の含有率が高く、安定しているため、一般的な植物油に比べて酸化しにくいのが特長。抗酸化物質として、ほかの油の酸化を防ぐとも言われています。

中鎖脂肪酸は、そもそもヒトの皮脂に含まれるものであり、体に害を及ぼす細菌の侵入から守っているのだとか。

「このオイル、あまりに出来すぎなのでは…」

そう思った人もいるかもしれません。確かに、おいしい話にはウラがありそう…とつい疑いたくもなりますが、ココナッツオイルに関しては、健康を阻害するような危険な要因がいまのところ見当たらないようです。そこが“奇跡の油”とも称される所以なのでしょう。