行ってみないと、聴かないと、わからないことがたくさんある

――この膨大な100曲を見ていくと、逆にここに入らなかった楽曲たちを思い出すんです。あの曲は、このコンピにはタイミングが合わなかったな、あの曲もイイ曲だったけど、日の目を見なかったな、とか…。

南波「自分も、この100曲で網羅した気には全然なっていないです。この100曲は、氷山の一角、ほんの一握りでしかないですよ。まだまだこんなもんじゃない。おこがましいかもしれないけれど、こういうのをきっかけに、少しでも裾野が広がったらいいと思ってます」

――でも、その広がった裾野にも行かないといかないから大変ですよね(笑)。

南波「そう、大変ですよ!(笑) ほぼ毎日、twitterやブログでチェックして、ライブやイベントに行ってるから、しんどいところはあります。あるかないかわからないものを探し求めているので」

――各地方のイベントも足を運ばれてますもんね!

南波「そうですね。この「すぺわの!」/『ひまわり☆ハナビ』は、北九州にあるテーマパーク「スペースワールド」で買ってきたんですよ。通販はやってないから、現地に行って入場券を買って、テーマパークの中の物販スペースで(笑)。ファンの方に教えて頂きました」

――おお、すごい行動力! 頭が下がります…。地方のイベント会場ではじめて知ったグループも多いですか?

南波「たとえば「プランタン」は三重で開催された『戦国アイドルまつり』で初めて見て、すごく面白くて。そこから自分の出演する番組(ご当地アイドルお取り寄せ図鑑)に出てもらったりもしました。三重に行かなかったら出会えなかったかもしれないですね。行ってみないとわからないこと、聴かないとわからないこと、たくさんありますよね」

――うーむ、いろいろな出会いをしたアイドルがいそうですねぇ。

南波「この「月乃あかり」さんの『なるんだ!アイドル』っていう曲は、もともと大学の卒業制作で“アイドルになってみる”っていうのをやっていて、反響を見てみようとしてたらしいんですよ。まったくライブとかやっていなくて」

 

――えええ、全く、ですか!?

南波「で、Berryz工房のライブ会場近くでCD-Rを配っていて、それをアップフロントの事務所の方が受け取って。その方が僕に『CD-R集めてるんでしょ?』って手渡してくれて」

――すごい経路!

南波「聴いてみたら、歌がすごいんですよ。そのCD-Rを『アイドル三十六房』でかけたら、Twitterで月乃さんがエゴサして反応してくれたんです。で、番組に呼んだ、と。元々卒業制作でアイドルをやってみてるから、研究したというわざとらしい歌い方とか、イラッとする感じで(笑)」

――たしかに、インパクトがすごいですね(笑)。ちなみに、作曲はどなたがやっているんですか?

南波「えーっと、確かバイト先の人だったかな?(笑)。デザイン会社の方で」

――うわ、めちゃめちゃ狭い(笑)。

南波「今、大学や専門学校関係もアイドル多いですね。この「美塾女アイドル 5W1H」は、Negiccoが筑波大のライブに出たときに、嶺脇さん(タワーレコード社長)がCDをもらったんですよ。メンバーに筑波大の子がいて、大学生アイドルが受験生を応援するっていうコンセプト。この楽曲はちょっとEspeciaライクな感じなんですよね」

 


――いろんなコンセプトのアイドルがいますよね。

南波「いろいろいますよね。最近も、日本工学院が授業の一環でアイドルを結成して、それが解散するっていうから解散ライブを見に行きましたよ、その日しかCD買えないから(笑)。就職活動応援グループ「蒲田VICTORY」っていう(注:今作には未収録です)。自分たちで自分たちの応援をするっていうね」