あなたを幸せにしてくれる日記とは?
後で読み返すことを想定して、後から読む自分に恥ずかしくないよう、体裁を整えるのは控えましょう。日記が役に立たなくなります。幸せになる日記を書くにはコツがあるのです。
1. 一応日記ですから、その日の天気や簡単なスケジュールを書いておきましょう。
2. 心の声に重点を置いて書き残しましょう。
3. 他人に見せるものではないので、上手な文章にまとめようと思う必要はありません。
4. 他人に知られたくない感情であっても、たとえ汚い言葉になっても、心の声に従って、できるだけありのままに書き残しましょう。特に感情が高ぶっているときは、何ページに渡ってでも、気分が落ち着くまで感情全てを書き記しましょう。書き終えたとき、なんとなく気持ちが落ち着きます。
このように、心の声をそのまま言葉にした日記を後日読み返すと、その日の出来事や気持ちを思い起こすことができます。
また、彼と喧嘩したときなんかに、そのときの怒りや悲しみを感情の赴くままに綴っていると、気持ちが整理され、怒りや悲しみが落ち着いてくることもあります。
そして途中で読み返してみる気分になったときは、いち早く反省点に気付き、彼に電話して仲直り!なんてこともあるかもしれません。なにしろ日記を書いたときは感情的になっていますので、自分中心の感情がそのまま綴られているのですから。冷静になって振り返るのに良い道しるべになるでしょう。
反対に、読み返しても彼の気持ちに寄り添うことができず、あなただけが被害者であるとしか思えないこともあるでしょう。そのような場合は、彼がそうせざるを得なかった状況やそうしてしまった理由を、彼の立場に立って想像してみましょう。そうすれば何かが見えてくるはずです。
悲しすぎて彼の気持ちなんて考えられない場合は、少し時間を置いても1度は彼の立場に立ってみることをお勧めします。あなたと彼との関係が、あなたの将来を本当に幸せなものにしてくれるのかどうかが見えてくるはずです。
日記が役立つ理由がそこにある!~認知療法をお手本に~
心の病の治療に、“認知療法”というのがあります。対人恐怖症やパニック障害、適応障害、過食症、自傷行為等々、自分の意思とは裏腹に衝動的行為に出てしまったり、体調が悪くなったりして、行動が制限されたり、人間関係がうまくいかなくなったりする病気の治療法です。
認知療法とは?
人の記憶は時間の経過とともに、自分の都合の悪いこと、自分が見たくない事実etc、無意識のうちに事実がねじ曲がらない程度に少しだけ都合が良い状況にすり替えてしまう傾向があります。
これを“記憶のすり替え”といいます。記憶のすり替えは、自己の行動部分だけでなく、周囲の行動を自分の都合の良い解釈に替えてしまっていることもあります。多くの患者さんの場合、この記憶のすり替え部分に、患者さんの心の病の根本原因が隠れていることがいいのです。
だから患者さんが、衝動的行為に出てしまったり、体調が悪くなったりしたその瞬間に、“どういう状況であったか”、“どのようなことを思ったか”をその場でありのまま記録することが、正しいカウンセリングの基本となるのです。
専門家は、この“記録”を読み、心の病の根本原因となっている患者さんの思考パターンを見つけ出し、患者さんにその思考パターンを気付かせ、患者さんの思考パターンを客観的により良い方向へと導く(改善する)ためのアドバイスをします。これが認知療法です。