最新作のテーマはライダーなのに自動車! 『仮面ライダードライブ』の魅力とは?
そうした各種モチーフをキャラクター造型に取り入れるおもしろさ、楽しさはシリーズ最新作であり、今回の映画の主役となる『仮面ライダードライブ』でも健在です。
特状課の警察官、泊進之介が変身する仮面ライダードライブは、その名の通り自動車をモチーフにしたライダー。"シフトカー"と呼ばれるミニカー型のメカニックを使用し、スポーツカーや重機、F1といった各種車両をベースにした形態へと変身。それらの能力を駆使して、社会の平和を脅かすアンドロイド"ロイミュード"や犯罪者たちと対峙します。
仮面"ライダー"なのにバイクに乗らず、車に搭乗する仮面ライダードライブ。ドライブの前にも、車を使用していた仮面ライダーブラックRXや電車に乗る電王といった"バイク以外のメカを使用するライダー"の先輩もいることにはいましたが、完全にバイクをオミットした『ドライブ』は随分と思い切ったコンセプトのライダーです。
正確には、それはもう"仮面ドライバー"と呼ぶ方が正しい気もするのですが、そういった斬新なアイデアを盛り込めるところが平成ライダーシリーズの大きな強み。ライダーなのに車に乗ってしまうのも、決して逸脱ではなく、クリエイターによる意欲的な冒険であり、子どもたちを楽しませる為のサービスなのです。
ちなみに、本作の"2号ライダー"である仮面ライダーマッハは、ドライブの自動車に対し、バイクをモチーフにした正統派(?)のライダー。『仮面ライダードライブ』は、こうした自動車やバイクをデザインやギミックに取り入れるのがとても上手く、劇中に出てくる武器や装備を見ているだけでも楽しめます。
私は、車のドアをモチーフにした銃、その名も"ドア銃"が大のお気に入りです。ドアの開け閉めによって弾丸を装填するという銃なのですが、半ドア状態だと弾が出ず、相手にボコボコにされてしまいます。遊び心と素材を使う上手さが見事に昇華されたアイデアですよね。