大学生・大学院生392名の調査結果を日本心理学会第90回大会で発表

新卒採用支援や「Personality Tech」を通じたHR事業「ミキワメAI」を提供する株式会社リーディングマーク(本社:東京都港区、代表取締役社長:飯田 悠司)の社内研究機関「組織心理研究所」は、2026年9月4日から6日に東洋大学白山キャンパスで開催される日本心理学会第90回大会において、採用選考における対人面接と対話型AI面接への応募者反応を比較した研究成果を発表します。発表は9月4日14時からの一般研究発表で行います。
本研究では、大学生・大学院生392名を対象に、Web上で人事担当者とリアルタイムに会話する対人面接と、AIアバターとリアルタイムに会話し、発話内容をもとに評価される対話型AI面接を比較しました。その結果、対話型AI面接は対人面接より面接不安が低く評価されました。一方、AI面接を希望するかどうかには、相対的な面接不安の低さだけでなく、進め方を公平だと感じられることや、面接を実施する企業への魅力が保たれていることも関連していました。応募者に受け入れられるAI面接には、緊張を和らげるだけでなく、手続きの分かりやすさや企業への印象まで含めた体験設計が求められることが示唆されます。
詳細レポートはこちら
https://oprl.mikiwame.com/articles/kyajpx39oov研究の背景
AIを活用した採用選考は、選考業務の効率化や評価の標準化につながる可能性がある一方、応募者が手続きをどのように受け止めるかという課題を伴います。採用手続きへの公正感や納得感は、その選考方法への評価だけでなく、企業への魅力や応募継続、内定受諾にも関わります。先行研究では、AIを用いた面接やアルゴリズム評価は、人による選考と比べて、能力を十分に示せる感覚や双方向コミュニケーション、公正感、組織魅力が低く評価される場合があることが報告されています。一方、人間の面接官から直接評価されることによる緊張は、AI面接では相対的に弱まる可能性があります。
そこで本研究では、AI面接への反応を単純な肯定・否定として捉えるのではなく、面接不安、評価への納得感、進め方の公平感、組織魅力、不気味さ、不透明性に分けて検討しました。さらに、応募者の個人特性によって反応の違いがどのように分かれるか、最終的にAI面接と対人面接のどちらを希望するかについても分析しました。
調査方法
大学生・大学院生431名がオンライン調査に回答し、操作チェック等に不備のあった39名を除く392名を分析対象としました。参加者には、次の二つの面接場面を順序を入れ替えて提示しました。
■対人面接
Web上で人事担当者とリアルタイムに会話する面接
■対話型AI面接
Web上でAIアバターとリアルタイムに会話し、発話内容をもとに評価される面接。表情解析は行わない設定
各場面の提示後に、面接不安、評価への納得感、進め方の公平感、組織魅力、不気味さ、不透明性を5件法で尋ねました。また、対人不安、セルフモニタリング、技術親和性、就活自己効力感を測定し、最後に希望する面接形式を尋ねました。
主な結果
1.対話型AI面接には「緊張しにくさ」という利点がみられたAI面接は対人面接に比べて、面接不安が低く評価されました。一方、評価への納得感、進め方の公平感、組織魅力は対人面接より低く、不気味さと不透明性は高く評価されました。
今回の結果は、AI面接への反応が単純な肯定・否定ではなく、緊張しにくいという利点と、手続きや企業への評価に関する課題を同時に含むことを示しています。
2.AI面接への反応は、応募者の個人特性によって異なった
就活自己効力感が低い人ほど、AI面接では対人面接よりも相対的に不安が低くなっていました。
また、状況や相手に応じて自己呈示を調整するセルフモニタリングが高い人ほど、AI面接への納得感が対人面接より低く、不気味さや不透明性が高い傾向がみられました。AI面接の利点と課題は、すべての応募者に同じ形で現れるわけではないことが示唆されます。
3.AI面接の選好には、公平感と企業魅力も関連した
希望する面接形式は、対人面接が78.1%、AI面接が10.7%、どちらでもよいが11.2%でした。
AI面接を希望しやすかったのは、対人面接と比べてAI面接で不安を感じにくい人だけではありませんでした。AI面接の進め方を公平だと感じ、面接を実施する企業への魅力が保たれている人ほど、AI面接を希望しやすくなっていました。
応募者に選ばれるAI面接を設計するために
AI面接を応募者に受け入れられる選考方法にするには、緊張を軽減するだけでは十分ではありません。今回の結果では、AI面接を希望するかどうかに、進め方の公平感と、面接を実施する企業への魅力が関連していました。そのため、AI面接の導入時には、何を評価するのか、どのような基準を用いるのか、評価結果を選考でどのように扱うのかを分かりやすく説明する必要があります。応募者が自分の能力を十分に示せる機会を設けることや、AIによる評価と人による判断をどのように組み合わせるかを明示することも求められます。面接は、企業が応募者を評価する場であると同時に、応募者が企業を評価する場でもあります。AI面接の設計では、選考効率や評価の標準化だけでなく、応募者が納得して参加でき、企業への魅力が保たれる体験をつくることが重要です。
応募者に選ばれるAI面接の設計ポイント
● 評価対象と基準を明示する
● AIの評価結果の使われ方を説明する
● 人による判断との組み合わせを示す
なお、本研究は実際の採用面接を体験した結果ではなく、面接場面を想定したシナリオへの反応を検討したものです。また、本研究で扱ったAI面接は、AIアバターとリアルタイムに会話し、発話内容をもとに評価され、表情解析は行わないと説明された形式に限られます。結果をAI面接全般へ一般化する際には留意が必要です。
発表概要
■大会名日本心理学会第90回大会
■発表題目
採用選考における対人面接と対話型AI面接の応募者反応(1)
応募者反応比較とAI面接選好の規定要因
■発表者
丹野 宏昭
株式会社リーディングマーク 組織心理研究所
■発表日時
2026年9月4日 14時00分~15時40分
■発表形式
一般研究発表・対面ポスター発表
■会場
東洋大学白山キャンパス 8号館地下1階
組織心理研究所について
組織心理研究所は、株式会社リーディングマーク内に設置された研究機関です。心理臨床学・組織心理学の専門的知見をもとに、人と組織にまつわる課題の解決を実践的に支援するとともに、「ミキワメAI適性検査」「ミキワメAIウェルビーイングサーベイ」などのプロダクト開発の監修も担っています。本レポートにおける分析設計、指標定義、考察は同研究所が担当しました。心理測定の手法と対話による実践支援の両輪を持つ専門機関として、ランキング集計にとどまらず、学生の意思決定や志望形成の構造を分析しています。
https://oprl.mikiwame.com/
運営会社について
会社名:株式会社リーディングマーク代表者:代表取締役社長 飯田 悠司
設立:2008年1月
所在地:〒105-0001 東京都港区⻁ノ門3-8-21 ⻁ノ門33番ビル 10階
コーポレートサイト:https://www.leadingmark.jp/
採用サイト:https://recruit.leadingmark.jp/
事業内容:「Personality Tech」を通じたHR事業
-自社で活躍できる社員を10分間でミキワメる「ミキワメAI 適性検査」
-社員のメンタル状態を可視化し、性格をもとにアドバイスをすることでウェルビーイングを実現「ミキワメAI ウェルビーイングサーベイ」
-1on1を起点に社員のパフォーマンスを最大化する「ミキワメAI マネジメント」
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