・ミッフィーたちはいつも正面を向いている
たとえ、体が横を向いていても顔は正面を向いている。いつもミッフィーたちが正面を向いている理由は「子どもたちの正直なまっすぐな目に応えたい。嬉しい時にも悲しい時にも目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたい」という気持ちのあらわれなのだそう。

・ミッフィーたちの世界は6色でできている
カラフルな原色が目を引く、ブルーナさんの絵本ですが、三原色の赤、青、黄、それから緑と輪郭を描く黒。ここから出発し、その後、象やネズミを描くためのグレー、ボリスやスナッフィーを描くための茶色を加えることになり、この6色でミッフィーたちの住む世界は表現されています。

・子どもたちの集中力が続く10分で読める絵本を作っている
ブルーナさんの絵本のその多くが12場面構成になっていますが、これは幼児が読書を含めた遊びに集中できる限界が10分だということに着目し、その間に読み切ることができるページ数として12場面が設定されています。

・ミッフィーの口と鼻の形「×」はブルーナさんが持った印象を絵にしている
ミッフィーの口と鼻の形は「×(バッテン)」ですが、これは、ブルーナさんが小さい頃から慣れ親しんでいたうさぎは、フワフワとした真っ白な毛をしていて、くるくるっとした丸い目、口はバッテン。子どもだったブルーナさんにはうさぎの顔はそのように見えていたのだそうです。それをそのまま描き、ミッフィーができました。

ちなみに、大人を描くときには、バッテンにさらに1本横棒が描かれていますが、これは年齢をあらわす「シワ」なのだそうです。

いかがでしたでしょうか。
ご存知のトリビアもあったかもしれませんが、ブルーナさんの絵本に使われる色や形はそれぞれに子どもたちのことを考えられたものだったのですね。

松屋銀座でミッフィー展が行われます!

ミッフィー60周年を記念した「ミッフィー展」が、2015年4月15日~5月10日まで、松屋銀座8階イベントスクエアにて行われます。展覧会は2016年にかけて全国を巡回します。

この展覧会では、1955年に初めて描かれたミッフィー(ファースト・ミッフィー)から初期のとんがり耳、やわらかな丸みが愛らしい現在の姿まで、ミッフィーとブルーナさんの60年が貴重な直筆の原画やスケッチなど約300点で紹介されます。

その中でも、1955年に発表された『ちいさなうさこちゃん』(第1版)の原画は世界に先駆けて初公開されるのだそうです。

これは本当に貴重!

ブルーナさんの描いたミッフィーの原画を見ることができるチャンス。

常に子どもたちのことを考え、シンプルに伝えることに注力するブルーナさん。
ミッフィーのお話は途中にどんなことがあっても、いつでもハッピーエンド。
子どもはもちろん、世界中の大人も虜にするミッフィーの世界がやってきます。

ミッフィーファンだけでなく、アート、絵本、そして、この世界観に浸りたい人は、是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。

誕生60周年記念「ミッフィー展」
開催期間:2015年4月15日~5月10日
場所:松屋銀座 8階イベントスクエア
開催時間:午前10時~午後8時(最終日は午後5時閉場。入場は閉場の30分前までに。)
入場料:一般1,000円(前売り700円)、高大生700円(前売り500円)、中学生500円(前売り400円)、小学生 300円(小学生は当日券のみです)

 

参照 「ディック・ブルーナ ぼくのこと、ミッフィーのこと」(講談社)
   「ディック・ブルーナのすべて」(講談社)
   「MOE ブルーナ大特集」(白泉社)

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスモノ書き。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコなもの。座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」。木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活と絵本に携わることを夢見て、日々生きています。