リゼロはヒロイン・エミリアのためにスタートした!?
——リゼロの中であえていちばんのキャラクターを挙げると?
間違いなくエミリア。エミリアがいちばん、それ以外は2番。ここは揺るがないです。なんてったって、リゼロはエミリアを書きたいから始めたので。
——え! そうだったんですか?
銀髪の美少女を助ける主人公っていうのがスタート。あとは後付けで考えました。
——銀髪にこだわりがあるんですね。
単純に好きなんです、銀髪が。これまで書いた小説のヒロインは銀髪か赤髪。リゼロでもヒロインのエミリアが銀髪、作中最強キャラクターのラインハルトは赤髪にしています。
——なるほど! ちなみに、スバルが持つ“死に戻り”という能力もリゼロの代表的な要素ですが、これはどのように生み出された設定なのでしょう。
初めは、順当に主人公を強くしていこうと思ったんです。でも、書いてみても面白くならなかった。
もうひとひねり、主人公が悪戦苦闘する話にしたいなって思ったところで、主人公の成長のために強い試練を与えようと考えました。さらにいちばん強い試練って何だろうと考えて出てきたのが“死”だったんです。
——毎回、スバルは様々な死に方をしていますよね。
自分の感覚として、命と釣り合うものって何もないと思っています。その命を取り戻すのが主人公の役目。ヒロインの命や関わった人の命を取り戻すために自分の命を差し出しているんです。命と釣り合うのは命ですから。
ただ、取り戻すために命をポンポン使われても困るし、読者の方に「死ねばいいじゃん」って思われるのがいちばんイヤ。だから、スバルには楽な死に方は一度もさせないようにしています。
毎回、痛い思いをさせるし、死に慣れることはない。もう、こんな光景見たくはない、ってさせなきゃいけないですよね。だから、ちゃんと殺しています。
——長月先生の中でいちばん印象に残っている死に方はありますか?
書いている側としては、基本は主人公・スバルとリンクしているので、彼がイヤだった死に方は残っています。
中でも、生き物に食われるっていうのは恐ろしい。あれがいちばんイヤでしょうね。生きたまま、生き物に食われるのはすごく恐怖だと思うので、印象に残っています。