恋愛だけでない、映画『シンデレラ』が描く家族愛

――『シンデレラ』ではプリンセスらしい恋愛要素はもちろんですが、同時に「家族愛」も描かれているように様々なシーンで感じました。監督は、恋愛面だけでなく家族愛という面においてこの映画をどうお考えでしょうか?

 

ケネス・ブラナー:家族なんですけれども、我々はひとりではなく、家庭、家族というものを持つことができる幸運に恵まれているわけですよね。

家族というのは、往々にして、自分が誰であるかの鏡でもある。つまり、その夫婦は個体としては全然違う存在なんだけれども、ある意味一緒でもあるのが家族なわけです。

また往々にして人間というものは、DNAつまり「血」というものと、環境という意味で家族に大きな影響を受けていくものです。

恐らく人生において一番はじめての大きな喪失というものもまた、家族からくる――家族が亡くなる――ということを体験される方も多いのではないかと思います。

だから家族は始まりでもあり立ち戻る場所でもあり、この映画の中では関係性。自分と家族、自分と自分自身、自分とパートナーの関係性に触れる、あるいは掘り下げている作品だという風に見ることもできると思うんですね。

その中でシンデレラという女性は聡明さを身に付けて、ある意味少女が大人になっていく物語だと考えることもできると思います。

 

『シンデレラ』は家族、自分自信、パートナーとの関係性を掘り下げた名作

自分と家族の関係は、人生で最初に持つ関係です。

しかしいつかは家族を失うもの。自分が家族を継ぐという自覚ある立場になります。

そしてパートナーと出会い、新しい家族になっていきます。

『シンデレラ』では、自分と家族、自分と自分自身、自分とパートナーの関係性をこのような「家族」という視点から掘り下げた作品だといいます。

少女が大人の女性として成長していく過程で、家族と別れる、家を守る、家族になるといった通過点が、劇中では豊かに描かれています。

最後に、来日記者会見での監督によるメッセージを引用します。

 

ケネス・ブラナー:この『シンデレラ』という映画は日本の方にもハートで楽しんでいただきたい映画です。

シンデレラが見つけたように、自分のパートナーを見つけるインスピレーションを与えられるといいなと思います。

もしかしたらこのパートナーや、自分にとってのただの一人というのは、鏡に映った自分自身かもしれません。

そういったありのままの自分を愛することができれば、きっとパートナーも見つけられるんじゃないかと思います。

だってシンデレラにできたことですから、みんなだってできます。

D*MANIA -『シンデレラ』来日記者会見 詳細レポ】ケネス監督&リリー・ジェームズの言葉から明らかになる“旧作との違い”

 

どんな境遇でも“勇気”と“優しさ”という強さを胸に、前向きに生きていくシンデレラの姿は、ディズニープリンセスが持つ普遍的な素質を観客に届けてくれます。

映画『シンデレラ』は4月25日(土)全国ロードショー。

ディズニー映画史に残る輝く遺産になる作品でしょう。必見です。

 

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