「そして、高原リゾートの珈琲店というデザインコンセプトに対し、ショップコンセプトは『オールデイリビング~ゆとりの癒し空間~』です」と崎田社長の話は続く。
「時間に関係なく、朝昼夜いつでもゆっくりと自分の時間を過ごせる地域のコミュニティカフェとして利用してほしい」という思いがあるのだという。
店内は1日に何回訪れても飽きずに心地よく過ごせるように、と深々と座って寛げるソファーを中心に14種類の椅子を設置。テーブルは広めで、隣の人を気にすることなく食事ができる幅や奥行きが確保されている。
また、ゾーンごとにテーマを設定し、女性客やファミリー客だけでなく男性だけでも入りやすい工夫が施されている。
ゆったりとしたソファー席やテーブル席が多数あるので、長時間のんびりできるのが嬉しい。
今日はこの席、次はあっちの席に……という選択ができることで、気分を変えながら終日自宅のリビングにいるような寛ぎ感を味わえるのが特徴だ。
そもそも第1号店を六ツ川にした理由は何だろう。社長に伺うと「もともとここは別業態の“おはしcafeガスト”でしたが業態転換を行い、カフェ事業を展開しました。その際ターゲットとした“30~40代の女性”と“シニア層”の多く住んでいる地域が六ツ川だったんです。もちろんこの街の雰囲気がいいと感じたのでこの場所を第1号店として選びました」と答えてくれた。
絞り込んだメニューで1品のクオリティーにこだわる
話を聞き終わると山岸が店の奥をのぞき込んでそわそわし始めた。目線の先を見ると、お皿を持ったスタッフが数名動いている。
同時に聞こえてきたのは「これから順番におすすめの商品をテーブルにお運びしますので、ご試食してみてください」という声。
「桐生(筆者)さん! 試食ができるんですよ! 試食! 何品食べられるんですかね? 朝から何も食べずに来た……」
……分かったよ。
まず運ばれてきたのは「ブレンド珈琲(432円/税込)」。自然を保護しながら栽培し、地球環境と人々の生活を守ることを目的としている、という世界各国の「レインフォレスト・アライアンス認証農園」の珈琲豆を使用している。
珈琲はブレンドのほか、厳選した最高等級品の豆を注文してから一杯一杯ハンドドリップする「スペシャリティ珈琲」(626円/税込)が3種類。