見知らぬVIP席
さてそんな我々。お店に入れてもらい、さっそく席に通されます。
今回はなんとVIP席である個室を使用!もちろん個室といってもドアは格子状になっていまして、いわゆる「密室状態」にはならないようになっています。
そりゃいきなり知らない男性と密室なんて危険ですからね。
対してノーマルの席はかなりオープンになっていて、普通のチェーン店の居酒屋と大差ありません。非常に活気ある雰囲気で、みんな初対面で話しているとは思えない。席に着き、店員さんに改めてシステムの説明をしてもらいます。
店員さん「相席をしている間、男性は30分飲み放題で1500円となっています。30分が1つの区切りになっていますが、お店から時間経過のお知らせなどはしません。自動延長になりますので、お時間は気をつけてください。相席でない間は、ドリンク1杯500円で利用していただくことになります」
ゴトウ「なるほど。相席前は、ゆっくり待つという形になるわけですね」
店員さん「食べ物に関しては、男性グループと女性グループとで、注文した方の伝票につけられる形となります。女性が頼んだ分は女性のお支払に、男性が頼んだ分は男性のお支払になるわけです」
ゴトウ「あ、何でもかんでも男性が払うというわけでじゃないんだ」
店員さん「そうですね」
ゴトウ「あそ…。正直、相席はしたものの、この人とはちょっと…という感じになってしまった場合は、どうすれば?」
店員さん「そういう場合は、店員に伝えていただければ、それとなくセッティングを組みなおすことも可能です。色々な人とお話をしてもらってかまいませんので」
ちなみに今回は取材ということで、それを了承してくれるかどうかを事前にうかがい、OKをもらえた女性をお店がセッティングしてくれることになっています。
システムはだいたい理解できました。相席してくれる女性が現れるまで多少の時間がかかるとのことなので、その時間を利用して室内チェックをやっておくことに。
改めて部屋を見回すと、大き目のモニターに、Wii Uが用意されています。ゲームも店員さんに頼めば持ってきてくれるとか。
ARuFa「なるほど。Wii Uでもいいし、みんなで盛り上がれるゲームとか、自分たちで持ち込んでもいいかもしんないすね」
ゴトウ「確かに、ボードゲームのドミニオンとか持ってくればよかったかな」
ARuFa「ずいぶん重いな」
食べ物のメニューはこんな感じ。揚げ物にサラダ、パスタ等々、値段は500円程度が中心で、チェーン店の居酒屋と大差ありません。
ゴトウ「よかったー。男が見栄を張ってどんどん注文するだろう…という魂胆から、食べ物が異様に高かったりしたらどうしてくれようかと思ってたんだ」
ARuFa「普通の居酒屋と変わらないですね」
ゴトウ「あまりに高い価格設定だったとして、腹を空かせた女性が会話を放棄して、から揚げを延々と食べ続けたりしたら、破産まであり得るからな。危ない危ない」
ARuFa「そんなフードファイターいないでしょ。」
さあ、店内チェックも済ませたので、席について相席相手を待ちます。いかん。緊張してきた。
ARuFa「それにしても、入店前にミサトさんがどうこう語ってた割に、着ている服はエヴァじゃないんですね」
ゴトウ「うむ。今回は、持っているTシャツの中で最もメジャーなアニメのシャツにしてきた。ご存知『涼宮ハルヒの憂鬱』のハルヒたんだ」
ARuFa「なんでまた」
ゴトウ「何となくの雰囲気ではあるんだが、このお店を利用する女性は、20代後半から30代の人が多いようだ。つまり、9年前に高校生で、ハルヒをリアルタイムで見ていた世代が多いということになる」
ARuFa「まあ確かに『婚活居酒屋』ってことを考えると、それくらいの年齢の人が多いような気はします」
ゴトウ「そして9年前と言えば、ニコニコ動画が動き出した年でもある。覚えているか?『ハルヒダンス踊ってみた』の熱狂を。女子校生らが文化祭や自室で踊る姿を続々とアップさせていた」
ARuFa「そういえばありましたね」
ゴトウ「つまり、このTシャツを見た女性陣は『あー!ハルヒだ!高校生の頃めっちゃハマってたー!』『アタシ、今でもエンディング踊れるよー!』みたいになって、大いに盛り上がれるという仕組み。『現在40代後半の女性は、みんなピンクレディーの振りを踊れる』みたいなもんだ」
ARuFa「後半はよく分からないけど、めっちゃ気合入ってますね」
ゴトウ「ちなみに付け加えると、今期からハルヒのスピンオフ作品である『長門有希ちゃんの消失』というアニメが始まっている。これはテレビシリーズとは別の世界、いわゆるパラレルワールドを舞台にした劇場版『涼宮ハルヒの消失』の、さらにスピンオフという作品だ。パラレルのパラレルなわけだから、長門とかテレビシリーズとは設定も性格も全く変わっていて、「どこが長門だ!」と感じることもある。あるが、まあ結局は可愛いのでなんだかんだで見ちゃう。そういう意味で、いまハルヒはタイムリーであるという理由もあるかな。」
ARuFa(熱く語れば語るほど、三段バラのせいでハルヒがグチャグチャになっていく…)
ARuFa「Tシャツの他には作戦とかあるんですか」
ゴトウ「うん、やはり今回はミサトさんのような大人の女性が現れる想定で進めているわけだから、なんていうかこちらも大人の色気、フェロモンみたいなものを出していきたいね」
ARuFa「フェロモン」
ゴトウ「ちなみにフェロモンは、男性の場合、脇から分泌されるものらしい。だから、こうやって、フェロモンを飛ばしていこうと考えている」
ゴトウ「こう構えて・・・」
ゴトウ「こう!」
ARuFa(西織圭を髣髴させる力強いスイング…!これは…奇跡が起きるのか…!?)
ゴトウ「これで、女性はメロメロって寸法さ。ふふふ…」
そんな感じで、様々な作戦を立てる我々。…なんですが、取材アリという条件のせいか、なかなか女の子が来てくれません。待つこと5分…10分…。
ゴトウ「おかしいな。お店自体はめっちゃ繁盛してて、他の席はどこも盛り上がっているのに…」
ふと向かいのVIPルームを見てみると、ビジネスマン2人に、お綺麗系のお姉さん2人が楽しそうに語らっています。ちくしょう盛り上がってやがる。ぐぬぬぬぬぬぬぬ。
ARuFa(なんか『ノスタル爺』みたいになってきたな…)
そんなすこしふしぎ体験をしていると、店員さんから女性客が来ましたとのお知らせが。きききキター!
ゴトウ「おい!女性が来るぞ!皿を整えろ!机を綺麗にして、襟を正せ!」
ARuFa「ぜんぜん加持さんっぽくない」