奇跡の価値は・・・!?
ゴトウ「あの…実はさっきから気になってるんですけど…。Sさんのスマホケース、セーラーマーズですよね?」
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S「あ、そうなんです」
ゴトウ「いいですね!僕、セーラームーンが大好きだったんです!」
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ARuFa(ここに来てこんな共通の話題が…。ここは一気にチャンスが回って来てますよ!)
S「実は、ついさっきお店で見かけて、懐かしいし可愛いもんだから買ったばかりなんですよ」
ARuFa(しかもこのタイミングで!?恐ろしいほどの強運…!これは…セーラームーンで盛り上がれる流れ…奇跡が起きるのか…!?)
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ゴトウ「やっぱセーラームーンは最高ですよねー!僕は一期から見ていたんですけど…」
S「あ、でも実は私、セーラームーンって見たことないんですよ」
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S「家が厳しくて、アニメを見せてもらえなかったんです」
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ゴトウ「!?」
S「だから幼稚園とかでセーラームーンごっこが流行した時も、全く分からない状況で、何となくでやってました(笑)」
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ゴトウ「…」
S「…???あ、あの…」
ゴトウ「…実は僕、セーラームーンの中でも、セーラーマーズが一番好きでして」
S「そ、そうなんですか」
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ゴトウ「セーラーマーズであるところの火野レイちゃんは、実家が神社ということで、巫女さんの姿でいることが多いんですよ。ちなみにこのレイちゃんの実家である『火川神社』のモデルになったのが、麻布の氷川神社で、放送当時はファンが押しかけて大変だったそうです。で、彼女はうさぎや亜美ちゃんと学校が違うんですよ。なので制服も違っています」
S「あ、茶色の制服だっけ?」
ゴトウ「それは木野まことちゃん、ジュピターですね。彼女は転校生で、身体が大きくて合う制服がないということで前の学校の制服を着ているので、うさぎたちと色が違うんです」
S「は、はあ」
ゴトウ「僕が歴代全アニメの中でも1、2位を争うほどに好きなのが『劇場版セーラームーンR』でして。これは幾原邦彦さんが監督なんです。少女革命ウテナや、最近だとユリ熊嵐などで、独自の世界を持っていて。お勧めなので、絶対に見てください!」
S「はあ」
ゴトウ「ちなみにセーラームーンR の『R』ですが、実はこれに込められた意味っていうのが謎になっていまして。アニメ二期ということでの『リターン』の頭文字、『ロマンス』の頭文字、『ラビット』の頭文字、『リボン』の頭文字…等々の説があるんですけど、いまだに絞られていないんです。ま、色々な意味を連想させることができるということで決まったんでしょうね」
S「…」
T「…」
ARuFa(完全に引いてる…終わった…全て…)
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さてそんな感じで盛り上がったり下がったりを繰り返しつつ、気がつけば1時間ほどがあっという間に経過。取材も十分ということで、お開きの運びとなりました。
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記念写真を撮ってもらい、お礼を言って、他の相席に向かう彼女らを見送ります。ありがとうございましたー。
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ゴトウ「つつつ疲れたー!」
ARuFa「どうでしたか」
ゴトウ「いやね。実際のところ、最初はいびつな会計方法でけしからんと思っていたんだけど、正直楽しかった。前述の通りキャバクラも合コンも行ったことないから比較は出来ないけれど、とりあえずシステム的にムチャなぼったくりに会うことはないし、合わないと思えば30分で切り上げればいいというのは安心できる」
ARuFa「お、なかなかに高評価じゃないですか」
ゴトウ「お店の人がとにかく明るくて、“いかがわしい場所ではない”という雰囲気作りを頑張っていたのは感心したかな。料理も普通に美味しかったし」
ARuFa「そうですね」
ゴトウ「ただ、もっと女性に気を使うべきところはあるかもしれない。例えば、このお皿。もうお開きということで女性陣が使った箸などが放置されているが、これを勝手に持ち帰るような変態野郎がいるかもしれないということに、店側はもっと気を使うべきではないかね」
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ARuFa「その発想が怖いわ」
ゴトウ「確かに、基本的に男性は紳士たるべきだ。もちろん俺自身も、女性の箸の持ち帰りなどしない。本当に、絶対にしない。箸の持ち帰り、ダメ、絶対!」
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ARuFa「…」
ゴトウ「俺は絶対にしない、絶対にしないが、万が一、そういうことをする男がいたらよろしくないということを訴えているんだ。繰り返し言うが、俺はぜったいにしない!信じて!」
ARuFa「もういいですよ!相席してくれた女性の方々も、気さくでいい感じの人たちでしたね」
ゴトウ「そこは真面目な話、助かったよ。実際のところあの人たちは普通にお店を楽しむために来ていたわけで、なのに突然、こんなオッサンの取材に応じてくれただけでもありがたい話なんだから」
ARuFa「そういえばあの人たち、年はいくつだったんでしょうね」
ゴトウ「恐らくだけど、26〜7 くらいのはずだな。『幼稚園でセーラームーンごっこをしていた』という証言がカギになっている。セーラームーン流行のピークは1993〜94年。その頃に幼稚園児だったということは、当時5〜6歳だったと考えられる。ということは生まれたのが1988年ごろ。自ずと年齢も読み解けるというわけだ」
ARuFa「なるほど。キモいっすね」
ゴトウ「ちなみにその頃、俺は24歳。当時のセーラームーン人気はそれは凄まじくて、NHKの紅白歌合戦で、紅組の歌手たちがセーラーチームのコスプレをしたほどだった。しかしここで問題があって、セーラーマーズ役は当然、当時美脚で名を馳せていた森高千里がやってくれると我々は期待していた。しかし実際に画面に映し出されたのは、セーラームーンが森口博子、マーキュリーが坂本冬実、そしてマーズが西田ひかるというキャスティング。悪くはないんだけど、やはり期待していたものが見れなかったという失望は大きく、最悪の年越しを迎えることとなった。俺は未だにこれをNHK史上最大の失敗だと思っていて、今でも夢に見てうなされることがある」
ARuFa「キモい話が尽きませんね」
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ゴトウ「あ、そうだ!最後にひとつだけ言っておきたいことがある」
ARuFa「なんですか。あらたまって」
ゴトウ「最終的には笑顔で飲むことはできた。しかし、こちらが用意していたハルヒTシャツなどの作戦は、空振りに終わったと認めざるを得ない」
ARuFa「まあそうですけど」
ゴトウ「“彼女”とは、“遥か彼方の女”と書く。女性とは向こう岸の存在だよ、我々にとってはね(新世紀エヴァンゲリオン第拾八話「命の選択を」より )」
ARuFa「まだ加持さん設定残ってたんか」
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END