“食の安全・安心”、イオンの取り組みは?

さて、ここで注目したいのが、これらの食品の安全性。
イオンが行っている取り組みを知るべく、“食の安全・安心”をテーマにしたシンポジウムに参加しました。ここではその内容の一部をご紹介します。

イオンでは、ご存知のとおり多くの輸入食品が販売されていますが、まず「安全・安心であることは大前提」と、イオンリテール(株)の土谷美津子さん。そのうえでハードルとなるのが、食品の安全性にかかわる「各国の基準の違い」だそうです。

原産国では安全とされていても、日本の基準では安全とみなされない場合も。そこで、輸入する際には必ず「日本の基準」に合わせます。

「日本では、『そば』はアレルゲンとして義務表示、『フルーツ』『鳥肉類』はアレルゲン任意表示となっていますが、EUではアレルゲン表示の対象に入っていません。そのため、これらの品目に関しては、製造時も工場で特別な配慮がなされていません。
そこで、現地で製造されたものを「日本の基準」に合わせ日本で販売するためには、製造ラインのすべての過程で、これらアレルゲンの混入の可能性を確認しなければなりません」

また、“異物”に対する意識感覚も、日本に合わせるそうです。
「海外では、危害性のある金属や微生物の混入などが関心の対象なのですが、日本では(パンを焼いたときなどに発生する)“焦げカス”も異物とみなされます」

海外では「コゲカス?ナニソレ」という感じでも、日本では「これは一体…!?」とあらぬ憶測を呼んだり、苦情になったり。そのため、やはり感覚面でも「日本の基準」に合わせ、定期的に清掃するなど特別な対応をとるのだとか。

生産・加工の管理体制は?

海外で生産・加工されているトップバリュの冷凍食品などは、実際どのように作られているのでしょうか?

「農産物の生産にあたっては『グローバルギャップ』という国際基準に準じてきちんと管理をし、基準に合わせた育て方をする、ということを生産者と約束して育てていきます。さらに現地駐在の社員が、これらの基準をもとに、種や土壌、生産管理の状況などを確認します」
そして、農薬検査などを経たものが農場から出荷されるそうです。

また工場での加工段階では、
「従業員からの聞き取りや製造立ち合いなどを行い、管理不十分な点や改善が必要なときは報告書に記録。後日、これらの改善状況を確認していきます」