「そろそろいい歳だし、結婚したいな~」と思い、婚活をされている方もいらっしゃると思います。ですが、合コンに出かけたり、お見合いパーティーに参加しても、思ったような人にめぐり会えず、疲れてしまうことはありませんか?
しまいには「あれ、結婚ってなんのためにするんだっけ? 何かメリットあるのかな?」と考えだしてしまったり……。とはいっても、やはり一人は寂しいですし、子どもがほしいとなると、タイムリミットがあるのも事実です。
筆者はアラサー独身なので、結婚について詳しいことはわかりません。
ですが婚活をして、幸せになれるのかどうかは、とても興味があります。
今回は「出会い」や「婚活」について真剣に書かれた本を3冊ご紹介したいと思います。
「婚活」を通して得られるものは一体何なのでしょうか?
人生で大事なのは「途中の一歩」? ~アラサー・アラフォーの婚活物語~
まずご紹介したい小説は、20代・30代の男女6人による人生のパートナー探しの物語『途中の一歩』<上下巻>(雫井脩介/幻冬舎)です。
作者の雫井さんは、『クローズド・ノート』や『犯人に告ぐ』『ビター・ブラッド』など、本格推理小説から恋愛小説まで描かれる、超有名人気作家さんですが、婚活小説まで出版されているとは思わず、驚きました。しかしこれがもう、めちゃくちゃおもしろいのです!
このお話は、ファミレスで、片手にペンを、もう片手にフォークを持ち、仕事に情熱を傾ける連載漫画家「覚本」が主人公です。
彼はある日、悪友のフリーライター「長谷部」から、「浮気を許してくれる都合の良い奥さんがほしいから、一緒に合コンしよう」と誘われ、編集者の「玉石」と共に、渋々参加することになります。
この3人と、バリバリ仕事をこなす編集者の「綾子」、長年不倫を続けているクールビューティーの売れっ子漫画家「優」、ちょっとシャイなOL「奈留美」の女子3人が絡み合うお話なのですが、不器用な彼らが、恋に仕事に頭を抱えながらも、丸裸でぶつかって行く様子はとても好感が持てました。
男性陣は合コンで、「丸の内銀河系軍団」と呼ばれる、美人だけど、したたかさが見え隠れしている女性グループや、「西麻布の不屈のライオン」と呼ばれる、しつこくメアドを訊いてきて、怒涛のメール攻撃をしかけてくる女性グループにおののきながらも、めげずに婚活を続けます。
女性陣も、長年の不倫に決着をつけたり、恋に悩める女子が集まるウェブサイト『ヌエの恋愛塾』で「男こそ押しに弱い!!」「ストーカーの一歩手前は情熱家!!」という謎のアドバイスを受けつつ(笑)、パートナーを探します。
彼らはみんな30歳をすぎた自立した大人なので「始めの一歩」ではなく、人生の途中で自分のこれからを前向きに考えた「途中の一歩」を、勇気を出して踏み出すことで、新しい変化を起こしていました。
人生は、一人ではなく支え合う誰かがいれば、確かに素敵です。結婚って良い面もたくさんあるのだと思います。ですが、自分以外の誰かと一緒にいるとなると、譲歩したり、考え方を共有したりする必要も出てくる。そのことを受け入れて、仕事も婚活も失敗を恐れず、全力で頑張っていた彼らの姿に、大きな勇気をもらえるはずです!