小動物が暮らす “隠れ家的” レストラン「グランマ・サラのキッチン」
もうひとつ、東京ディズニーランド内で落ち着いて静かに食事ができるレストランは、クリッターカントリーにある「グランマ・サラのキッチン」。
クリッターカントリーで一番の料理の腕を持つ、ジャコウネズミのサラおばあちゃんのレストランです。
「グランマ・サラ」は「グランマ(Grandma)」「サラ(Sara)」。
つまり「サラおばあちゃんのキッチン」です。
サラおばあちゃんは入口の看板など、レストラン内のあちこちに登場していますのでぜひ探してみてくださいね。
クリッター(小動物)が暮らす、穴ぐらの中の様なこのレストランは、静かで程よい暗さの照明で、ゆっくり落ち着いた雰囲気を演出してくれています。
どことなく家庭的な雰囲気が、きっと心を落ち着かせてくれるのでしょうね。
実は「スプラッシュ・マウンテン」の物語に深く関わりが!
このレストラン、実は同エリアの人気アトラクション、「スプラッシュ・マウンテン」とも深い関わりがあるのです。
まず、このレストランを作ったのは、スプラッシュマウンテンの奥にあるアトラクション「ビーバーブラザーズのカヌー探検」のビーバーの兄弟、クローレンスとブリュースターです。
その昔、スプラッシュマウンテンは、「チカピンヒル」と呼ばれていました。
そしてクリッターカントリーの住人である彼ら兄弟は、川をせきとめてダムを作ったのですが、酒の密造をしていた慌てもののアライぐま、ラケッティが、誤って酒の蒸留器を大爆発させてしまいます。
ちなみにこのラケッティーが改心して営業しているのが、スプラッシュマウンテン出口にあるソフトドリンクと軽食のお店、「ラケッティのラクーンサルーン」です。
そしてダムが崩壊、放流された水は一気に流れ出し、大洪水が起こってしまいます。
それ以来、この山はスプラッシュマウンテンと呼ばれるようになった、という物語があるのです。
レストランの内部にはアトラクションに登場するキャラクターの絵があちこちに飾られています。
アトラクション途中に登場する、パイプをくわえたカエル、ブレアフロッグや、ワニ、もちろんビーバーブラザーズの姿見ることができます。
また、レジカウンターの右側にある階段の途中には、爆発する前のスプラッシュマウンテンが描かれた珍しい絵も見られます。
アトラクションや食事を楽しんだ後、レストラン内を散策してみると、面白い発見があるかもしれませんね。
こだわりの隠れ要素満載。店内を見渡してみよう!
静かな雰囲気が落ち着くこのレストランですが、実は食事だけでなく、こだわりの要素も隠れています。
例えば、店内の雰囲気が1階と2階で大きく異なる気がしませんか?
2階のダイニングエリアはきちんと作られた棚や壁、机などが整然と並んでいますが、1階部分は、柱や窓が歪んでいたり、棚も斜めになっていたり、天井からは木の根っこが出たままになっていたり…
これには実はちゃんと理由があります。
建築したビーバーブラザーズは1階部分を作った時はまだ腕前が未熟だったためにいいかげんな作りだったのですが、その後に増築された2階部分は同兄弟の工事も上手くなってきたからなのです。
そんな未熟だった兄弟の「跡」が見られる場所があります。
それはレジカウンターの後方、ここには石が積まれたできた柱があるのですが、実はこの中に手で動かせる石が1つだけあるのです。
これは、柱を作る時、大黒柱なのに長さが足りなくなってしまい、隙間に大きな石をねじ込んでいるためです。
また、ほとんどの人が気がつかないこだわりがもうひとつ。
こちらは時間限定なのですが、レストラン外にはレストラン正面と、スプラッシュ側の上部に煙突があります。
この煙突からはお昼12時前後、夕方6時前後になると、煙が出てくるのです。
もちろん高い位置にある煙突ですので気にしていないとなかなかわかりませんが、これはサラおばあちゃんが食事を作っている時間だからなのですね。
こうした細かなこだわりは書ききれないくらい、他にももっとたくさんあります。
食事ももちろんですが、いろいろ散策も楽しいレストラン。
空いている時間にあちこちにあるクリッター達の小さな家を訪ねてみるのと一緒に、色々散策してみるのも面白いかも…?
※当記事は、ライターによる現地調査のほか、以下の文献も参考にして構成しています。
「Door of Dream オーロラストーン伝説 東京ディズニーランド超ガイド」1996年 講談社