主題歌の『スローバラード』に注目!絶妙なタイミングでの「空耳」

ところで、この映画の脚本はすでに25年前に書かれていた。そして主演を忌野清志郎に打診したが、当時は俳優活動をしていないということで、脚本には興味を持ってもらったものの、実現には至らなかった。

それから四半世紀が過ぎ、今回やっと公開となった映画の主題歌として使われたのが、RCサクセションの『スローバラード』。この曲は、誰が歌っても、どこで使っても、必ず人の胸を打つわけではない。本当にこの曲の意味を理解し、愛している人にこそ歌うことや使うことができる意味のある作品だ。『ラブ&ピース』の主題歌には『スローバラード』がぴったりだった。当然涙腺は緩む。ズルい演出に泣かされてしまった。

しかも、この曲が流れるシーンにはミドリガメが出てくるのだが、偶然なのか、絶妙なタイミングで清志郎が「カメ」と歌っているように聞こえるところがある。これは園監督も言っていることだが、言われてみると確かにそう聞こえる。この「空耳」はオトナにとってのファンタジーなのかもしれない。

©「ラブ&ピース」製作委員会