共通項のない6人のおっさんが生み出す面白さ
――ところで、前回は6人で集まっても雑談が多かったそうですが(笑)。
加藤:(笑)そうですね。みんな気が合うし、おっさん6人でこういうことってなかなかないと思います。
――でも、このメンバーだと共通項がないような気もしますが…。
加藤:そこが面白いんです。六角さんの狭く深い話に矢作が浅ーい感じでノッて、秋山が「そうなんですかー」なんつって、そこに吉村が入ると「お前そうじゃねえよ」って総攻撃を食らうという…(笑)。
でもその雑談の中でそれぞれの立ち位置が決まっていきました。だから今年は台本をアテ書きみたいな感じで作って、雑談も前より少ないです(笑)。
――六角さんは唯一の役者さんですが、他の方とは違いますか?
加藤:六角さんは人格者。台本がポンポン変わっても文句ひとつ言わないし、あとは六角さんがいると舞台が締まります。説明ぜりふも芸人が言うのとは全然違って、六角さんは説明に見せないんですよね。
――加藤さんも『平清盛』(NHK)などで俳優業をしてますよね。
加藤:僕なんかお客さんですよ。芸人から俳優に変わる、越えなきゃならない一線を越えてないんです。だから、ドラマに出ても周りの役者さんたちを「すげえなあ」と思うばかりで、何かを得ることもできないですね。
『イルネス製作所』は「バカバカしさとくだらなさ」がテーマ
――ところで今回の舞台『イルネス製作所~今世紀最大の発明~』というタイトルですが、何かが発明されるんですか?
加藤:メガネです。話の舞台も日本になりました。今回は単純に「イルネス」に漢字3文字をつけたタイトルにしようと思って。だから、前回の国は関係ありません。
――そうなんですか。内容はどんな風になりそうですか?
加藤:バカバカしいことやくだらないことをやる、というのがテーマですね。おっさんが何やってんの?みたいな。作家とも中学生の部室の会話みたいな、くっだらない話ばっかりしてますよ(笑)。
――(笑)以前、加藤さんとも一緒に仕事をされていた福田雄一さん(『勇者ヨシヒコ』シリーズや映画『明烏 あけがらす』などの監督・脚本家)にお話を伺った時、「バカバカしい」とか「くだらない」という言葉を褒め言葉と捉えているようでした。
加藤:僕は作品性とかおしゃれ感みたいなものは排除したくなっちゃうんですよねー。そういうスタイルの人を批判するわけではないんですが、僕の場合はカッコ悪いと思っちゃう。個人的にくだらないものが好きなんですね。