梅田芸術劇場 新緞帳のコンセプトは「Over the Dream」 撮影:奥村達也

10周年を迎えた梅田芸術劇場が、メインホールの緞帳を新調した。1992年に「劇場飛天」という名で開場して以来初となる。緞帳贈呈式撮影会には、梅田芸術劇場所属のアーティスト、元宝塚トップスターの湖月わたると朝海ひかるが出席。劇場のシンボルともいうべき新しい緞帳の前に立ち、その大きさ優美さをかみしめながら挨拶を行った。

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大阪の中心地、梅田・茶屋町にある梅田芸術劇場メインホール。全1905席の客席を有する大きなホールながら、3階席まで舞台との一体感があり、ここから多くの名作が届けられた。ミュージカルや演劇だけでなく、オーケストラによるクラシックコンサートやオペラを上演できる最新の音響設備も備えている。

新たな緞帳は西陣本綴錦織(にしじんほんつづれにしきおり)による豪華なもので、コンセプトは「Over the Dream」。湖月わたるは、「この梅田芸術劇場に相応しい“夢”と“情熱”を感じる緞帳で、とても感動しました」とコメント。朝海ひかるは、「鮮やかで繊細な色使いは、一枚の絵画を見ているようです。『Over the Dream』というネーミングも素敵で、お客様を夢の彼方へつれて行ってくれると思います」と語った。

「梅田芸術劇場は赤のイメージがあります」(湖月)、「客席も赤いですよね」(朝海)。劇場の天井に輝く大きなシャンデリア、真紅のカーペットが印象的なホワイエなど格調高い造りの同劇場に、鮮やかな赤い新緞帳が美しくとけ合っている。湖月が舞台上から緞帳の方を振り返り、「なかなか緞帳の前に立つことはないですし、改めて大きな劇場だなと驚きました。この赤い色からすごく“パッション”を感じます。ひと針ひと針の重みを今感じています」と、感慨深い様子で語っていた。

湖月は今後、梅田芸術劇場10周年を記念し宝塚歌劇団OGが豪華に集う『SUPER GIFT!』や、話題のブロードウェイミュージカル『CHICAGO』のヴェルマ役(シカゴSPマチネ)で、このメインホールの舞台に立つ。今年2月に『ボンベイドリームス』のメインホール公演で華やかな存在感を示した朝海は、9月から全国5か所で上演される、こまつ座第111回公演『國語元年』に出演する。

なお新しい緞帳は、7月4日(土)の宝塚歌劇星組全国ツアー公演『大海賊』『Amour それは…』より観客にも披露された。たくさんの夢や希望が煌めきとなり空にとけていく様子を表現したという新デザイン。見る人によって月の輝きにも、まばゆい城のようにも感じる壮大な世界観が、そのまま観客の心を素晴らしい舞台へといざなってくれそうだ。

取材・文:小野寺亜紀