――これもまたちょっと変な質問なんですけど、 「対バンで観ると楽しいバンド問題」 ってあると思うんですよ。

猟牙:ハッハッハ!ありますね。いざワンマンになると中々苦しい結果になったりっていうことですよね。 んー…ある種俺らもそういうとこありますよ。

そこはもう細かく気にしないで、俺らはひたすら自分らがカッコイイと思えるモチベーションでやり続けて、 それがもっともっとデカくなればいいし、ならないんだったらそれはそれで考えますからと。ホント…カッコ悪くなったら解散しようぜって言い合えるくらい、自分らはもうライブに命かけてやってるんで、 それでしかないなと。

――強いですね。"強くなった"と言ったほうが正しいのかもしれませんが。

猟牙:そうですね。今、7年目なんですよねBORNって。 多分 この業界で7年目ってそこそこ長いんですよ。7年間でゆっくりながらO-EAST、 赤坂BLITZでやれてるってそれはそれで有難いことなのかななんて最近思うようになってきて。 これは逃げの意味で言ってるんじゃないですよ(笑)。

――わかります(笑)。 これまでの発言は、 聞いてると 「攻めてるな」 と思います。

猟牙: ヴィジュアル系だけじゃなくて色んなギターロック系のバンドとかでもそうなんですけどドカーン!って売れるバンドあるじゃないですか。俺好きなバンドいっぱいいますけど、 今消えてるバンドがいっぱいあるんですよ。「あれっ、 最近見なくね?」 みたいな。

そういうバンドも色んなジャンルで俺はいっぱい見てて、ヴィジュアルシーンでも「あのバンド調子良かったのにいつのまにか解散してたのか!」 みたいなバンドもいるし。

そんな中でこの規模で続けてられてるのってある意味有難いなと思って、 じゃあそこは別にネガティブにならずに強気で攻めて攻め続けていこうかなって。

――ある種の開き直りというか、「捨てるものがない」っていう感じですね。

猟牙:そう、 もう自分らが「格好悪い」と思ったら終了。 それはきっと数字含めてそうなんですけど、一定のラインは下回っていないんで(笑)、ファンの子たちもライブに来てくれてるんで(笑) 、こいつら大事にしよう、 と。

――大事にしてあげてください。

猟牙:だから今多分メディアにバンバン出てて「キテる」といわれるバンドっていっぱいあると思うんですけど、 そこには確実にBORNは入ってないんですよ。 そんなの重々承知の上で。でもその中で自分らが「気持ちいい」と思えてやれてることを信じてやるしかない。だからこんな現状も本来だったら心折れてるかもしれないですけど、 俺もうちのメンバーもみんな色んなことで強くなったのか 「さぁどうしてやろうか」 っていう意気込みです。

――冒頭で言っていたような「BORN大丈夫なの?」 的な空気みたいなものはお話を伺っていて、払拭できたと思います。少なくとも私は。

猟牙:むしろ 俺らも自分で思ったことあるんですよ。 「俺ら大丈夫か」と。露出も少なくて…って、 自分らでも思ったんですよ。これ今風に言うともっとバンバン雑誌出てキャパ上げとかした方がいいんじゃね?みたいな。

あったんですけど、 でもライブやる度に数字悪くねぇなみたいな。 すげぇ盛り上がるな、 ドカンといかないけどずーっと保ってんなみたいな(笑)。じゃあここは今更もう背伸びした感じはムリだから、 こんな中途半端に長く続けてるしね。じゃあもう本当にカッコイイ事やり続けるしかねぇよなって、 自分らが信じて。

だからアレですよ、 ホント大してBORNのライブとかあんま来ない子、 メディアとかでBORNを知ってくれた子はきっと今BORNを心配してると思いますけど。 しぶとくやってますよ(笑)。

――何か悟りが開けてる感じがします(笑)。

猟牙:そうですね。 でもバンドが終わるかもしれないみたいな話はいっぱいありましたよ、 メンバー内で。 それはもう…きっとこの先もいっぱいあるだろうし、 そういうこと。 それとどう向き合うかですよね。

これからもライブやっててどんどん 「俺らカッコイイべ」 みたいな自信がこう、会場の熱だったりファンの子の盛り上がりだったりが周りに伝わって行って、それを大事にしてればいいかなって。 そういうマインドになりましたね。

雑誌に載らなくなった時は 「おいおいマジかよこの流れ止めるんかい(笑)」みたいになりましたけど、 だからもう逆に鍛えられるというか、そういう美味しさがない中で戦ってる俺らなんかエエやん、 みたいな(笑)。それがないとやっぱりバンド続けらんないですね、 どっかで反骨精神っつーか…。

――逆境だからこそ燃える的な。

猟牙:そう「どや!カッコイイやろ!」というオーラを常に放ってないと。 だから、それが足りてないなって思った時に解散話が出たわけですよ。それにBORNはメンバーが一人抜けていますし、それだって衝撃な事件だった。 人なんてどうなるか分からないから、悔いなく一個一個のことを大事にしていこうって。それが結果、 10年20年続くのか明日終わるのか…それは分からないこと…かなぁ。