『東洋水産PRESENTS R-1ぐらんぷり2012』の決勝大会直前企画、決勝進出者全員インタビューもついに最終回。今回はCブロック4人の声をお届けします! さらに、昨年まで4年連続で決勝に出場していたR-1決勝常連のあの人に、今大会の展望について語ってもらいました。最後の最後まで読み逃せません!!
【Cブロック】
千鳥 大悟 (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
‘80年生まれ、岡山県出身。’00年に同郷の友人であるノブとともにコンビ結成。M-1グランプリに’03、’04、’05、’07年と4度決勝進出を果たし、いわば常連として認知されるにいたる。また’11年の「THE MANZAI2011」では決勝進出から最終的に3位入賞を果たし、鮮烈な印象を残した。現在は関西のテレビ番組に多数出演。関西の若手芸人の中では抜群の人気を誇っている。
■過去3年の戦績:2009年…出場せず
2010年…出場せず
2011年…出場せず
M-1を筆頭に漫才コンテストの決勝で、それこそ千鳥のことはたくさん目にしてきた。しかし、R-1ぐらんぷりの決勝でその姿を目にするのは初めてのこと。それもそのはずで、彼はなんと今回初めて、ピンとしてのネタを作ったという。それでもするすると勝ち進んできたあたり、いよいよ千鳥というコンビの実力と勢いのほどを感じさせもするが、果たして岡山の漫才番長はどこへ行くのか。思わぬ真実が明らかに…。
――そもそも、これまでピン芸を作ったことがなかったというのは本当ですか?
大悟:ほんまです。もう完全に、僕は漫才師やと思ってましたからね。なにしろ、2012年が明けた段階でも、R-1に出ようなんてことはこれっぽっちも考えてなかったです。
――それがまたどうして、出場することになったんですか?
大悟:これはね…たむけんさんにケツ叩かれたんですよ。
――野性爆弾の川島さんがおっしゃってましたが、大悟さんもでしたか。
大悟:ある日ね、たむけんさんに「おい、なにをビビッてるんや」と言われたんですよね。「コンビやから、漫才師やから言うてR-1のことを考えないとか出ないとか、そんなこと言う前に挑戦してこんかい!」と。それで僕も思わず「ほんならやったろかい!」と。
――売り言葉に買い言葉的な(笑)。
大悟:ええ。それが…どうでしょう。当のたむけんさん本人が、3回戦で落ちるという(笑)。だからそんなんもあって、決勝の会見に出たときに「あれ、なんで僕がここにいるんやったけ?」って、よくわからなくなりましたよね。
――「挑戦してこんかい!」の当人がいないわけですからね。でも、どうでしたか。ピンでやるというのは、やはりコンビのときとは大きく違います?
大悟:もうまったくちゃいますね。漫才だと、二人のしゃべくりじゃないですか。だからまずネタの作り方が違う。その上、ピンのネタを作っても練習ができる場がないんで困りました。
――舞台にもかけられないと。
大悟:そうです。劇場の出番はすべて、千鳥として、ですからね。かけて稽古できんし、お客さんの反応を見ることもできない。だからどうしたものかと思って、関西でやってる『シャバダバの空に』っていうバラエティ番組の収録の合間に、みんなに1回だけ見てもらったんですよ。
――野性爆弾、トータルテンボス、笑い飯とやられてる番組ですね。
大悟:少しでも反応を得ようと思いましてね。そしたら、同じくR-1に出場していた笑い飯の哲夫さんが、俺の方が勝ったなという顔で「大悟はいつか落ちるやろう」と言ってたんですよ。で、これまた入れ変わってしまったんですよねえ(笑)。
――哲夫さんは準決勝敗退でした。
大悟:そうなんです。僕が哲夫さんの立場やったら、あんな恥ずかしいことないですよ(笑)。あんな顔、するもんじゃないなあと思いました。
――(笑)。決勝の会見では「ネタが一本しかない」とおっしゃってましたが大丈夫ですか?
大悟:大丈夫にします。いや、もちろんやるからには真剣にエントリーしたわけですけど、まさか決勝に行くとは思ってなかったんで。っていうのを、よくこういう大会の会見でいう人がおるじゃないですか。僕いつもそれを見て「そんなやつおるかい!」って思ってたんですけど、まさに僕が「そんなやつ」でした(笑)。もし最悪、間に合わなかったら失礼なことはできませんし、きちんと衣装を変えた上で、同じネタをやろうと思ってます。
――そうなんですか!?
大悟:でもなんとか間に合わせます(笑)。芸人人生で二つ目となる、幻になるかもしれないピンネタを完成させて挑むつもりです。
――ということは、もちろん狙うは優勝ということで。
大悟:ただねえ…ひとつ心配があって、決勝って東京のフジテレビでやるわけでしょ。僕、東京の番組に出させていただくときは、新幹線に乗って上京するんですけど、岐阜羽島を越えたあたりから緊張してまうんですよ(笑)。
――大阪を出たら緊張してしまうと(笑)。
大悟:ただ! これももう大丈夫になりました。今回のスタッフさん、関西テレビの方が多いというのをお聞きしたので。だから、どうにか緊張でいっぱいいっぱいにはならずに、できると思います。でもこれで優勝なんてしまったら…大変なことですよねえ。
――快挙だと思います。
大悟:ただ僕は優勝しても、なにもなかったかのように、その後は漫才師の千鳥に戻っていこうと思ってるんです。その方がカッコいいんじゃないかと。だから今言うことじゃないかもしれないですけど、僕が出るのは最初で最後。優勝してかっこよくR-1を引退したいと思います。